第80話 ※商業ギルドルールの記載あり
商業ギルドへ全員で入って行く。
既に夕刻で、商業ギルド内には俺達以外にもう1組いる程度だった。
一旦、新谷さん達と別れて俺達は個別で商業ギルドで登録することにした。商業ギルドで登録して、ギルドカードを発行して貰えば、それが各町への通行証として使用できるのだ。
俺は受付と思われる窓口の受付嬢へ話しかける。
「すみません、商業ギルドへ登録したいのですが、ここで良いですか?」
「はい、ここで結構です。登録者はお一人でよろしいでしょうか?」
「いえ、ここにいる8人全員お願いします。」
「後ろの方々もでしょうか?」
「はい。何か問題があるのでしょうか?」
「いえ、特段問題はございません。ただ失礼ですが、後ろの方々は冒険者と思っておりましたので、念の為確認した次第です。 登録には、1人辺り銀貨3枚必要ですが、よろしいでしょうか?」
「えっと、そこは大丈夫だと思うのですが、先に魔石の換金をお願いしても良いですか?手持ちが底を突いてまして……。」
「それは大丈夫です。それでは、ギルド登録と魔石の査定を並行して実施しますので、まずこちらの用紙に其々必要事項をご記載下さい。それと換金する魔石をトレーの上にお出し下さい。」
俺は受付嬢から用紙を8枚受け取り、用紙と引き換えに買い物袋程度の袋に入れた魔石を指定されたトレーの上に置いた。受付嬢が魔石の量にちょっと驚いているようだった。
今更だが、異世界に来たのに言葉は分かるし文字も理解出来た。
これは、異世界あるあるだと言うことにして深く考えることはしないでおく。
用紙への記載項目は、『名前、出身地』、選択項目(1つ以上)『商業スタイル:持ち込み売買、市場売買、個人売買、店舗売買、特許申請』であった。
なお、『持ち込み売買、市場売買、個人売買』は、誰でも許可が降りる。ただ、店舗売買と特許申請は、ある程度商業ギルドで実績を蓄積しないと許可が降りないそうだ。
俺は、念の為全ての選択項目に◯を付けておいた。
配下には、『持ち込み売買』を必ず選択させて、それ以外は個人に任せた。
用紙を書き終えた俺達は、受付嬢へ用紙を提出する。
魔石の査定はまだ完了していないようで、その間の待ち時間を有効活用するために商業ギルドの説明を受けることにした。
『商売は誠実であれ』から始まった商業ギルドの説明は大きく纏めると次の通りだ。
・ギルドカードは3種類
商業カード【銅板】:売買税 売上額の15%
上級商業カード【銀板】:売買税 利益額の15%、買取値増し額+5%
特級商業カード【金板】:売買税 利益額の8%、買取値増し額+10%
※【銅板】は、即時税金が引かれる。
※【銀板】【金板】は、年末に税金を納税する。
・商業カードの昇級は、売買累計納税額で判断される。(判断額は非公開)
・異世界品を市場で販売する場合、事前に商業ギルドへ商品を説明する必要有り。
・金銭のやり取りをスムーズにするために、商業ギルド口座の開設が必要。(商業カードと口座は紐ついており、金銭は魔道具で一元管理されている。)
商業ギルドの説明が終了する頃には、魔石の査定も完了していた。
査定結果は、税金を引かれても銀貨換算で『約730枚』だった。商業ギルドの登録料の銀貨24枚を差引いても一気に大金が手に入った。
極小魔石:178個✕銀貨1枚
小魔石:69個✕銀貨5枚
魔石:17個✕大銀貨2枚
商業ギルドにここまで大量の魔石を持ち込む人がいなかったらしく、驚いていたようだった。
何はともあれ無事に魔石の換金が済んだ。
そして、手持ちとして大銀貨5枚と銀貨50枚を現金として受け取り、残りは口座へ入れておくことにした。
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