第79話 ※異世界 貨幣相場の記載あり



 俺達は森を抜けて少し遠くに町の外壁が見える所まで辿り着いた。


「あそこに見えるのが、ガマズミ町です。通行証を持っていない人は、入り口の門を通る際に1人につき大銅貨1枚が必要です。今回は僕達が立替えて置きますが、後で魔石で払って頂ける事で良いですか? 本当は払っても良いのですが、そんなに金銭的に余裕が無く……。」


「ちゃんと後で魔石で払わせて頂きますよ。ところで、魔石の換金方法、通行証の入手場所、最後にお金の相場感などを教えて欲しいのですが良いですか?」


「魔石の換金は、冒険者ギルドと商業ギルドであれば可能です。その他にも取扱っているお店もありますが、確実なので先程の2箇所です。

 通行証の入手場所は、これも冒険者ギルドと商業ギルドですね。最初の手続きで、手数料として銀貨数枚発生しますが、今後も異世界を訪れるなら元が取れますのでお金に余裕があれば通行証は確保しておいた方がよろしいと思います。

 あとは、お金の相場感ですね。その前に貨幣の種類は鉄貨、銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨があります。金銭感覚的には、鉄貨が10円で、その後は1桁づつ上がっていく感じです。」


 <貨幣種類>

 鉄貨:10円

 銅貨:100円

 大銅貨:1,000円

 銀貨:10,000円

 大銀貨:100,000円

 金貨:1,000,000円

 大金貨:10,000,000円


「紙幣は無いんですね。紙自体が貴重品だし、印刷技術もそこまで発展して無さそうだから偽造もされそうだしな…。 それにしても、全てが硬貨だと持ち運びはかなり不便になりそうですね。それこそ収納スキルが無いと厳しそう……。」


 そんなこんなで、やっと異世界初のガマズミ町へ到着した。



 俺達が門まで進み、代表して新谷さんが2人の兵士へ話し始める。


「その格好は、異世界からの探索者だな。通行証は持っているのか?」


「こんにちはっす。はい、これが通行証っす。」


「確かに確認した。2人以外は通行証を持っていないのか?」


「護衛の8人は今回始めてなので通行証を持って無いっす。これが入町税の大銅貨8枚っす。」


 新谷さんが兵士へ大銅貨8枚を手渡した。そうしたら、すんなりと入町することが出来た。異世界人だからと難癖を付けられるなどのトラブルが発生する事もなく、普通に通過することができた。


 拍子抜けと思ったが、別にトラブルを望んでいる訳ではない。


「海堂さん達はこれからどうするっすか?取り敢えず、僕達はこれから商業ギルドに行くっす。通行証を作るなら、一緒に行くっすか? でもその前に治療屋へ寄って行きましょうか?」


「そうですね、一旦仲間の治療をしたいです。お願い出来ますか? その後に俺達も商業ギルドに一緒について行きます。」


「了解したっす。じゃあ、直ぐに治療屋に向かうっす。」


 そう言って、俺達は治療屋へ寄ってから、商業ギルドへ向かい事にした。

 重傷者はカードへ返還しても良いが、再度入町する際に通行証が有った方が有用との事で俺達は取り敢えず商業ギルドで通行証を作ることにした。

 ハンク達は商業ギルドより冒険者ギルドで通行証を作った方が良いのだろうか?


「治療屋では、今回だけという事だったけど魔石を使う事が出来て助かった。」


「代金を立替え出来なくてすみません………。重傷(骨折)の怪我を治すのに大銀貨が必要なんて…。」


「いや、仕方ないですよ。気持ちだけ有り難く頂いておきます。それより、早く商業ギルドへ行って魔石を換金したいです。立替えて頂いたお金を返すのもありますが、お金が無いと何も出来ないですし……。」


 そして、商業ギルドへ向かって歩みを進めた。



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