第66話
ゴブリンは既に全て倒した。(最後の1匹は近藤君がトドメを刺した。)
ウルフは1匹倒し、2匹が後衛達へ迫っている。
オークはハンクが相手をして足止めをしている。
「ゼネブ、止血が済んだらハンクの応援へ迎え!ウルフは俺が何とかする。」
『分かった。ちょっと踏ん張りが効かないが問題ない!』
ウルフ2匹を年配の魔道士と中年の剣士がどうにか相手していた。
ただ、互角の攻防……いやちょっと分が悪い感じがするので、直ぐに援護が必要そうだ。
年配の男のファイアボールをウルフが飛び退いて躱したらちょうど俺の方へ迫って来た。
俺はウルフが着地すること地点を見計らって、剣を合わせて真横に振る。
『ギャウン』と言う声と共にウルフが切り裂かれて倒れ込む。
残るウルフは1匹だ。
俺が倒したウルフの断末魔の叫び声を聞いて、残りのウルフは俺の方に一瞬注意を払った。中年の男はその一瞬の隙きを付いてウルフへ一撃を入れ、ウルフの前足を負傷させることに成功した。
そこから、年配の男の魔法と中年の男の剣術の連携で直ぐにウルフが倒れて決着が付いた。
俺はハンクとゼネブが戦っている方へ急いで向かう。2対3にも係わらず、ハンク達が優勢だった。
「待たせたな。良く凌いでいたな。」
『ハンク様々だな。ほとんど1人で捌いてた。』
「ここからは、一気に反撃するぞ!」
1匹のオークはロングソードを装備しているが、残り2匹のオークは素手であった。確かに槍を遠投して奇襲してきた事を思い出した……。
そうと分かれば、弱点を付かせてもらう。
俺は素手のオークへ向かって駆け寄り、通り過ぎざまにオークの太ももを斬りつける。両断までいかないまでも俺の剣は太ももの1/3ほどの深さまで肉を断った。
そして、急ブレーキを掛けて止まると、オークの背後へもう一撃加えて次の標的に狙いを定める。
俺は、ハンクと対峙している2匹のオークの片割れに向かって、背後から脇腹を切り裂く。その一撃はオークの内臓に届きオークは夥しい叫び声と共に腹から血が吹き出しながらこちらを向く。
腹から夥しい血を流しながらオークはロングソードを俺に向かって振り下ろす。俺はその攻撃を受け止めるが、全然力が入っておらず直ぐに弾き返す。ロングソードがオークの手から離れると、俺はオークの心臓目掛けて剣を力いっぱい突いた。
太ももを俺に斬りつけられたオークは、その後ゼネブにトドメを刺されて倒れていた。
残る1匹の素手のオークは、ハンクの剣術に翻弄されて見るも無惨な姿となっていた。最後は頭を叩き割られて絶命した。
ゼネブが足に重傷を負ったが、1日ほどカードへ戻しておけば再召喚したときに完治する。
「ハンク、ゼネブお疲れ様! ゼネブは大丈夫か?ウルフにモロに噛みつかれてただろ!ハハハ。」
『そこまで笑うな!スピードがある相手は苦手なんだよ。オーク見たいなパワータイプの方が良かった!』
「でも、流石にオーク3匹の相手は厳しいだろう?」
『まあ、3匹は無理だな。ハンクじゃなきゃ耐えられんだろ。』
『…………俺も、辛かった。』
「ハンクはまだ余裕そうだったがな。まあ、死者が出なくて良かった。」
俺達はそんな会話をしつつ他の人達が待つ場所へ戻るのだった。
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