第62話
魚の養殖に関して、最終的に水源を2箇所(川、湧き水)から引っ張る事になった。土魔法を活用すれば思ったよりも簡単に水路が作れた。
そして、各水源からの水を貯めるため池を2箇所作る事にし、湧き水のため池にイワナやヤマメなどの川魚の養殖をすることにした。ため池は土魔法を駆使して土を難なく掘削し、内側を固く加工して水漏れを防ぐ構造にしている。
湧き水のため池は、田畑と同じ区画の第二防壁の中に設置した。そして、そこから生活水用に水を引いて来るようにしている。
川からのため池は、第二防壁の外に設置して、そこから田畑へ水を引くようにしている。そして、基本的には生活水には使用せずに、稲作、畑作用として活用する方針だ。
両方の水源から引いた水は、最終的に合流させて川に戻るような設計にしてあり、水が滞らず循環できるようにしている。
魚の養殖は、まだ始まっていないがやれる環境を整備したので、順次対応していくつもりだ。
・・・・・・・・
『冬夜殿、一つ報告があるんだが、いいか?』
金安君達のレベル上げに付き添っていたゼネブが俺の元にやって来た。
「ああ、どうしんたんだ?」
『実は、此処から比較的近い場所に集落を発見した。』
「どの辺りだ?」
『ここより東へ2〜3kmほど進んだ辺りだ。ここ2〜3週間以内に移動してきた感じで、人数は不明だが小規模だろう。俺達が山中でヤギを発見して捕まえた際に男2人に出くわした。』
「あっちもヤギの捕獲をしてたのか?」
『ちょっと違くてな、彼等が飼っているヤギが脱走したそうだ。それを探していて俺らと出くわしたそうだ。軽装備だったので、本当に拠点の近場を探している感じだった。あれだとゴブリンの集団と出くわしたらアウトだろう。
俺達が捕まえたやつしかヤギのオスがいないらしく、繁殖のために必要なのでどうしても返して欲しいとの事だった。俺達もホイそれと折角捕まえた獲物を渡せ無いので、その代わり子ヤギ2頭と交換することで手を打った。その際に相手の拠点の大体の位置は掴んである。』
「金安君達も一緒だったんだよな。彼等は何と言っていた?何か変な感覚とか感じたりしてなかったか?」
『特に何も言って無かったな。俺も特に変には感じなかった。とにかくあっちは焦っていて、穏便に早くその場を収めたい感じを受けた。こっちも金安達の安全を第一と考えていたから、戦闘をするつもりはなく、特に揉めなかったので、早々に交渉を切り上げて帰ってきた。もっと、吹っ掛ければよかったか?』
「いや、良い判断だった。そこの住人が良い部類の人だった場合、今後貿易等もできればやっていきたい。悪い印象を与えるより、そのくらいの条件なら良かったと思う。」
『そっか、それは良かった。』
「報告ありがとう。」
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