第61話 ※レベル表示あり


 オプションカードの『遠征(20) ☆☆☆☆』は大活躍である。

 これまでマイスペース内でしか活動出来なかった配下達が20人も外で活動出来るので、劇的な変化が起こることが期待される。


 基本的な遠征のルールとしては、5人1組の行動を取ることを設定した。

 そして、現在は次の4グループに分かれて行動している。


 ①俺(Lv16)、秋実さん(Lv8)、夏(Lv10)、益子君(Lv11)、キーシャ(Lv2)

 他拠点の情報収集・貿易交渉などの活動


 ②金安君(Lv6)、近藤君(Lv6)、暗黒ハンク(Lv5)、ゼネブ(Lv3)、エミリー(Lv2)

 レベル上げ、物資・家畜調達などの活動


 ③ジェイド(Lv3)、アーク(Lv3)、ガラム(Lv2)、キャメル(Lv2)、エミリー

 物資・家畜調達などの活動


 ④残り遠征可能な配下11人

 水路作り、拠点防衛などの活動



 ここでのポイントは、水路作りだ。

 やっと、水路を引くことが出来る環境が整った。まあ、配下を含めないで開拓しても良かったが、それだと大変なので先送りにしていた……。


 そして、この水路作りで大活躍したのが、キャメルとジーニャだった。

 水路の設置経路は配下達へ指示してあり、その経路上の木々の伐採はパワーのある前衛陣が実施した。そして、肝心の掘削作業は、拠点の堀を掘削した時と同様にキャメルとジーニャが土魔法でどんどんと実施していく。


 手で掘削するのとは比べ物にならないスピードで水路建設が進む。

 木々の伐採から始まった水路建設は、1週間もしない内に完成したのである。


 そして、水路建設からスタートした水回りの環境整備だったが、実は追加計画をすることになっていたのだ。



『主、妾はまた魚を食べたいのじゃ。たまに主が釣りに行って魚を釣ってきてくれるが、もっと定期的に食べたいのじゃ。 ……そこでじゃ、稲作や生活用水に引く水路を活用して、魚を養殖するのはどうじゃ?』


「ジーニャさん、それは良いことだと思います!私も食材として魚が増えれば、もっと作れる料理のレパートリーが増えます!」「ねえ、冬夜さん、私からもお願い絶対やろうよ!」


「そうだな。水路を作る訳だし、この際一気に水回りを徹底的に整備してしまうのもありだな。」


『やったなのじゃ。流石、主じゃ。』


 ジーニャが嬉しそうにして俺にジャンプして抱きついて来た。躱すわけにもいかないので、俺はそれを正面から受け止める。ついつい、大人の色気というか何と言うか、俺はジーニャにドキッとしてしまった。


 中々ジーニャが離れてくれなかったのでそのままにしていたら、背中に物凄く柔らかな感触が伝わってきた。

 後ろを振り向くと、フワッと甘い香りがして、俺の目に秋実さんの姿が写った。


「(いつまで、ジーニャさんと抱きついてるの?)」


 それは、俺にしか聞こえないような小声だった。

 俺は、それを聞いた瞬間にジーニャの肩を握って俺のからグイッとジーニャを離した。


『何じゃ、もうお終いか?もう少しくらいこの嬉しさを分かち合おうではないか? 秋実も抱きついて居るようじゃしの〜?』


 秋実さんが俺からバッと離れた。


「いやこれは……。」


「私は違います。」


『何が違うのじゃ?』


「………何でもないです。 とにかく、魚の養殖の話をもっと詰めましょうよ!」


「そ、そうだな!それだったら、他のメンバーも加えて知恵を出すぞ!秋実さんも他の人を集めてくれ。」


「わかったわ。じゃあ、私は夏さんを探してくる。」


 そう言って、秋実さんは食堂を出ていった。


「ジーニャ、俺も皆を呼びに行ってくるわ!」


『何じゃ、何じゃ。あの2人はまだ全然進んでおらんのう〜。だったら、妾が入る隙きもまだ有りそうかのう? 側室でも本格的に狙いに行くかのう〜。』



 ◇◆◇◆◇◆◇◆

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