第60話




 1ヶ月の集中的な訓練を終わらせて、只今、異世界都市への移動方法探しや、他都市との貿易交渉をしているのだ。


 異世界都市への安全な移動方法は、まだ掴めておらずこれからも調査していくつもりだ。引き籠もり生活大好きな俺は、異世界ラノベを読む機会があり、異世界にも興味がある。


 尚、貿易関係について、うちから他都市へ卸す商品は、甘味を増した野菜がメインだ。

 今まで日本でも食べたことの無いレベルの美味しさの野菜を卸すつもりだ。流石ファンタジーって感じだ。


 秋実さんとその美味しい野菜を使って2人して作る料理は最高だった。



「冬夜さん、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎの皮を剥いて、一口大に切っておいてちょうだい!私は野菜の浅漬けとキャベツのペペロンチーノを作るから。」


「ペペロンチーノは美味しそうだね。どうなるか楽しみ!」


「うん、期待してて!」


 ニコッと笑う秋実さんの笑顔が素敵過ぎる。



 トントントンと一定のリズムで包丁の音が鳴る。


「このままでも、十分甘くて美味しいよ。はい、あ〜〜ん。」


 秋実さんは浅漬けように切った、きゅうり、キャベツ、ニンジンを手で持って俺の口へ運んでくる。俺は自然と口を開けて、野菜を食べてしまった。

 俺の顔がちょっと赤く染まる。


「(モグモグ)うん、美味しい!」

「でしょ〜〜〜〜。っぅうん?」


 今度は、俺が浅漬け用のきゅうりを手にとって、秋実さんの口元へ持っていく。


「はい、あ〜〜〜ん。」

「(ぱく、モグモグ)すっごく美味しい!」


 秋実さんの顔もちょっと赤く染まるのだった。

 すごく幸せだ。




 出来上がった料理は、キャベツのペペロンチーノ、浅漬け、ジャガ・たま・人参の肉じゃが風だった。


「「「「いただきます。」」」」


「野菜の旨味が凄い出てますね。」


「本当にそうだねよ!カネが作った野菜最高だよ。」


「ホントホント!ここまで美味しい野菜は食べた事ないよ!」


「ペペロンチーノの味付けも最高です。秋実さんみたいな料理上手な彼女が欲しいです。冬夜さんが羨ましいです。」


「「っえ!」」


「だって、傍から見てもお似合いですよ。」


 俺と秋実さんの顔が徐々に赤くなっていった。

 逆にちょっと、夏の機嫌が悪くなっている気がする。


「確かに秋実さんは料理が上手で羨ましいな〜〜。ただ、色々と作れるんだからね!今度は皆に私が料理を作ってあげるよ。」


「夏がそうゆうなら、今度作ってもらおうかな!楽しみにしているよ。」


「任せてよ。絶対、冬夜に美味しいって言わせてやるんだから!」


「お、おう。期待して待ってるよ。」


 今度は夏の機嫌がちょっと治った気がした。



 こんなやり取りがあり、俺らが貿易で他拠点へ卸す物は、甘みが凝縮された特別な野菜がっメインとなった。勿論それだけだと数が出ないので、普通の野菜も対象となっている。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆

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