第57話
この2〜3ヶ月で世界の在り方が大きく変わってしまった。
日本では政府が衰退して、国の機能を無くした。他国での在り方は分からない。
それに代わって『聖域』などの特殊なスキルを持った者達が立ち上げた都市・組織が台頭した。数百人規模から数千、数万規模までさまざまである。
そう言った都市・組織は、自然豊かな郊外に設置されて、自給自足の生活を行っている。
特にこの辺りでは、『聖域都市 パラディス』が数万規模の大都市だそうだ。
この情報は以前、町中で会った若松さんからの情報だ。無線通信により、たまにやり取りをしている。
こちらから提供した最新情報としては、俺たちが関与した事を伏せて、揚石達の組織が崩壊したことを伝えた。また、野菜の栽培も順調な事など伝えている。
若松さん達も揚石達の動向は気にしていたようだ。小規模の組織が揚石達の組織に次々に吸収されてあまり良い待遇を受けていない事を危惧していたらしい。
手を出したくても、対人戦無敵の揚石と剣術の達人の仙道がいるため、中々踏ん切りが付かなっかったとの事。
あと、食料事情の絡みでは、異世界の都市とやり取りを開始したとも言っていた。
モンスターが落とす魔石を換金して、異世界の食料を買い付けているのだとか…。良くも悪くもこの数ヶ月でそこまで発展したのかと感心する。
ただ、その買い付けもまだ始まったばかりで、大変な様だ。1番大変なのは、モンスターだ。
異世界の街道では、たまにオーガなどの強敵も出没するらしく、レベルが低い者達だけでは大きな被害が出る。
日本でも、オーガは殆ど目撃されていないそうだ。俺達は既に遭遇しているあたり、運が良いのか悪いのか……。
そこで、気になる情報を得た。大都市(聖域都市 パラディス)の人々のレベル事情だ。
自慢げに『ウチの都市では、既にレベルが13の超人がいます。』と言っていた。オーガにソロで勝てる超人だと言う。日本全国の情報は不明だが、周辺の都市では11レベル以上の者は中々いないらしい。
というのも、11レベル以上になると、レベルの上がり方が遅くなるとの事だ。
その分、能力の上昇が大きいとの見方がされている。能力の上昇の感覚は俺自身も同様に感じている。
ただ、ハンク達が倒したモンスターの経験値が俺に入って来るので、レベルの上がり方が遅くなったかは……正直あまり分からない。
更に驚いたのが、一部の人間が異世界へ移住しているとのことだった。
確かに現在の日本は、電気も使えず原始的な生活が続いている。更に食料の問題もあり、充実しているとは言えない状況だ。
だったらいっその事、故郷を離れてでも異世界へ移住して、新生活を開始するのも有りかも知れない。異世界の文化を受け入れられれば、問題無いだろう。
若松さんも異世界文化までの情報は無かったが、人族以外に獣人やエルフなどがいるとの事だった!
◇◆◇◆◇◆◇◆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます