第47話
戦場は、片側2車線の十字路から少し入った所だ。
某PTは建物を背にしており、モンスターに囲まれている感じ。
俺達は自分たちの目の前の敵を片付けて、某PTの退路を確保するつもりだ。
◎ : 俺達
◯ : 某PT
✕ : モンスター
| |
__| |___
✕ ✕
__ ✕ ✕ ✕ ___
|◯ ✕ ✕ |
|✕ ✕ ✕ |
| |
| ◎ |
俺達の手前のモンスターは、夏が攻撃したことにより前後で挟まれる形になり俺達を警戒している。俺の方に体を向けると背後を某PTの剣士に攻撃される。少し迷っているようだ。
だったら、モンスターが少し混乱している隙きに先制攻撃だ。
俺は、剣と盾を両手に持ち、5割ほどの力を使ってモンスターに駆け寄る。
夏が既に狙撃ポイントに到着して、俺の目の前のモンスターへ弓矢で攻撃する。
2つの矢が2匹のウルフの後ろ足と背中に命中する。『『ギャウン』』
(ナイス夏!)
手前のモンスターは完全に俺達を警戒するようなった。しかし、ウルフとゴブリン程度なら問題ない。俺は負傷している2匹のウルフに斬りかかり致命傷を与える。
無傷のウルフへ横のなぎ払いを行うが、ウルフは既の所で後方へ飛び退き俺の攻撃を躱した。
そこへゴブリンが棍棒を片手に2匹突っ込んで来る。
1匹目のゴブリンの棍棒攻撃を紙一重で躱して、一太刀入れてゴブリンの首を跳ねる。
2匹目の棍棒攻撃を左手の盾で弾くと、棍棒が吹き飛ぶと同時にゴブリンの体勢が崩れたので、剣を左下から右上に振り上げゴブリンを真っ二つにした。
これで、4匹のモンスターを戦闘不能にした計算だ。
「夏!弓矢のフォローサンキュー!!」先程の弓矢の先制攻撃のお礼を大き目の声で入れておく。
「………。」
ただ、夏からの返答は無い。なぜ??と思いながらも、そんな事をゆっくり考えている時ではないので、目の前の敵に注意を戻す。
あと、3匹殺っておけば、退路を確保できそうかな。
某PTは、俺達の方のモンスターを倒した方が退路を確保でき生存率が上がると踏んで、俺と挟み込むようにしてモンスターへ攻撃を仕掛ける。
案の定、俺の目の前のウフル2匹とゴブリン1匹は、俺への警戒度が高まり某PTの剣士の攻撃を背中からモロに受ける。俺もモンスターへ追撃を掛けると、あっさりと3匹を葬りされた。
その間に他のモンスターは、他の箇所へ攻撃を仕掛けていたが、夏の狙撃による牽制も役に立ち、攻めきれずにいた。
そして、半数程度のモンスターを倒すと、ウルフ達は劣勢と悟ったのか逃亡したのだった。
某PTのメンバーは、重症者は居ないものの手ひどくやられていた。まあ、命が有っただけ儲けもんだよね。
「それにしてもお兄さん強いね。助かったよ。」
「それほどでも無いですよ。敵が隙だらけだったので、簡単に倒せただけ。それにそちらさんも最後は一気にウルフを倒してたじゃないか。」
「いや〜それこそウルフが隙だらけだったからだよ。いや、それより助かった。ありがとう。」「「「「ありがとう(ございます)。」」」」
彼等は一同に頭を下げてお礼を言ってきた。
「たまたま、通りかかっただけだから気にしないでくれ。それより、俺達はそろそろ失礼するよ。」
「っえ、もう行くのか? 何かお礼をさせて欲しいんだけど……。こんな物しか無いけど、受け取ってくれ。」
彼等はそう言うと、各自で持っている小袋を出してきた。その中にはモンスターを倒すと落とす結晶が入っている。
「結晶か。」
「そう、モンスターが落とす結晶だ。異世界では魔石と呼ばれているらしい。知っているかもしれんが、異世界でこれが換金出来る。手持ちが何も無くて、こんな物で申し訳無いが受け取ってくれ。 と言いつつ、俺達も異世界へ行ったことが無いんだがな!!わははは。」
(はははは。)愛想笑いをしてしまった。
「それじゃあ、有り難く頂いておくわ。」
「っお、そうだった。 俺達は聖域都市の『
「そうか分かった。俺は海堂。ちょっと離れた場所で、仲間と小規模ながら何とかやっている。また何か縁がアレばな。」
「ああ、何か直ぐに会えそうな気がするよ!」
彼等はニヤリと笑みを浮かべて、俺達2人を送り出した。
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