第45話
信用していない訳ではないが、俺のスキルについては、夏達に詳しく伝えていない。俺のスキルは特殊で、この
そりゃ山中にこんな立派なマンションが有れば、疑問に思うだろう。そこはスキルの力だと伝えてある。
後は勝手に俺のスキルが建築系と夏達が勘違いしてくれるだろう。
現在は俺と夏の2人で、揚石達の拠点を観察中だ。俺1人で行くはずだったのだが、夏がどうしても同行したいと言うので押し切られる形で渋々OKした。
それにしても、遠方の状況を観察するのに夏のスキルが役に立った。
スコープという技?を使えるのだが、遠くの対象物を近くに見えるそうだ。狙撃術の副産物といった所だ。
俺の場合、こっちから打って出る事は全く考えていない。しかし、相手がどうゆう所に住んでいるのか、周辺の環境はどうかなど知りたい事は色々ある。
「そういえば、あっちの食料事情はどんな感じだったんだ?」
相手の拠点を観察できる建物の一室で会話している。
「えっと、厳しいはずよ。電気が使えていた時は冷凍食品などで賄っていたけど、もうそれには頼れない。既に周辺の目星い場所は開拓されているはず。」
「まあ、そうなるよな。こんな世界になって2ヶ月近くも経つんだ……。こんな建物だらけの所で食物なんて育てられないだろうし。」
「本当に冬夜の作ったマンションが異常なのよ!太陽光発電まで付いてるし……。他にどんな施設が建てられるのよ!?」
「どんなと言われても、大抵の物は行けると思う。……けど、ゲーム見たいに建設コストがあって、無限に建てる事は困難なんだ!それに指定した一定領域にしか建設は無理だ。何処でも出来る訳じゃ無い。」
「そうなのね!便利なスキルな分色々と制約があるのね。」
「そうしないと、俺は人類の為とか言って監禁されてずっと建物を造り続けされるよ。」
「確かにあり得そうな展開ね……。」
一応、秋美さん達には伝えているが、今日は夏とここで一泊する事になっている。
あらぬ心配を秋美さんにさせたく無いから、連れて来たく無かったのだが……。
相手側の一日通した動きがどうなっているのか把握しておきたかった。
暗くなる前に調達班が出先から帰宅した。
結構なグループ数になっている様だ。
4人1グループで、10以上のグループがあった。
その中に特殊なグループも居た。若い女性を連れて帰って来ているのだ……。
その夜。
下階層で明かりが点き始めた。戦闘音はここまで聞こえなが夏が目視で確認すると、人との争いらしい。
多分、昼間に攫って来た女性たちの拠点の者が連れ戻しに現れたのだろう。
こう言う事は、多々あったそうだ。
カラクリはこうだ。まず、若い女性を攫って来て、わざと痕跡を残しておく。そうすると、それを追って女性を取り返しに拠点へ殴り込んで来る。
侵入者を揚石が返り討ちにしているとの事だった。返り討ちにされた組織は、更に追い込みを掛けられて、全て揚石達の組織に吸収される。こんな流れになって今の組織は出来ている様だ。
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