第43話


「あとは、近藤君の清掃ってスキルも気になっているんだ。どういったスキルなんだ?」


 近藤君の顔が自信がなさげだ…。


「僕のスキルなんて何にも役に立ちませんよ……。清掃時にスムーズに動けるとか何故か清掃補正が掛かって、僕がやると他の人が掃除するより汚れを落とせたりしましたが、それだけです………。」


「清掃補正か……俺の見立てだと進化するとクリーンの魔法とか、最上級になると浄化とかそういった感じの魔法を覚えられそうな気がするけど……これはどう発展するか分からないな。」


「……清掃ですよ。そんなの誰だって出来ますし、こんな世界では戦闘に役立た無いと役立たず扱いでは…。」


「いや、無理に戦闘で役に立たなくても良いと思うぞ。戦闘は出来る奴がやれば良いし、料理が出来る奴は料理を、物を作ることが得意な奴はモノ造りをって感じで俺は良いと思う。 元の世界みたいにネットでポチれば何でも手に入る世界じゃ無いんだ。必要な物は自分たちで何とかしないといけない。だったら、人それぞれ得意な所で助け合って行ければ良いと思う。 この拠点はそういった感じにしたいと思ってる。ただ、腐ってサボったりしたら、駄目だけどな。(因みに俺は、引き籠もりたいんだけど。)」


「……分かりました。僕は清掃ってスキルですが、それを極めて見たいと思います。カネ金安みたいに何か当面の明確なビジョンがある訳では無いですが……。まず、やれることを実直にやって見たいと思います。」


コンドゥー近藤も頑張って!!」


ミナ氏南島ありがとう!!俺も頑張ってみるわ。」


 近藤君も少し前向きになってくれたようで良かった。




 あとは、本題の夏の元拠点問題についてだな。


「あと聞いておきたいのは、夏の元拠点問題だな。何があったんだ?」


「こんな世界になったでしょ。さっき言った通り、カネ金安達にDM送って合流させてもらったのよ。拠点では最初皆助け合いながら生活してたんだけど……。政府の敗北が濃厚になった頃から可笑しくなり始めたわ。法的な縛りが無くなって自分たちが法の番人になったと錯覚した一部の強者バカが、拠点を仕切るようになってしまい独裁国家のようになったの。 当然、カネ金安コンドゥー近藤などの戦闘向きじゃないスキルを持っている者は、酷い扱いを受け始めたわ。もう階級世界ね……。そして、階級が低い女性達は上位者の命令には逆らえず……酷い扱いを受け始める者が現れたの。私はスキルのお陰で偵察などで役に立っていたのと、上層部の奴らに気に入られていたからどうにかなっていたけど。とうとう俺の女になれと独裁者に脅されて……、偵察任務の際にカネ金安達と共に逃げ出したのよ。 彼等の追跡を躱しながらこれまでどうにか逃げて来てたけど……精神的にも疲れ果てて、今に至る感じね。」


「状況は分かった。大変だったな。まあ、お前たちさえ良ければ、ずっとここに居ろ!!」


「冬夜……ありがとう。」「「ありがとうございます。」」


「ところで、その元拠点の情報をもっと教えてくれ。場所はどの辺りなんだ?あと、相手の戦力は?何人くらいで、どんなスキルを持っているかなど、何でもいいから教えてくれ。」


 ◇◆◇◆◇◆◇◆

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