第42話


「まず、何で夏達はそんな疲弊した状況だったんだ?」


 夏達3人は顔を見合わせて互いに頷くと夏が口を開いた。

 因みに益子君は、3階の一室で横になっている。


「そうね。どこから話せば良いのかだけど……簡単に言うと元拠点メンバー達から追われているの。スキルと下世話な話になるけど、私の体をどうにかするためにね……。」


 まあ、風呂から上がった夏を見たが確かに美少女だった。


 南島夏。

 金髪ポニーテール、目鼻立ちも整っており、美少女である。

 ゲームの中では男勝りなサバサバした性格だった。

 身長は秋実さんよりちょっと大きい(165cm)。

 体型は痩せ型で普通パイ(胸)である。

 俺とはシューティングゲーム仲間で4〜5年の付き合いだ。

 正義感がありゲーム内では仲間を助けるために良く無茶をしていた。

 そんな性格を尊敬している。



「まあ、こんな世界になったんだ、そんな所だろうな。それか、金安君辺りが狙われてるんだとも考えてたが、そっち路線ではなかったか。」


「そっち路線って何よ?」


「いや、スキル絡みかなと思ってな。」


「っぇえ? カネ金安のスキルが何で狙われるのよ。スキルは植物よ!植物をちょっと操作するとかしか出来ないわよ。」


「ほ〜〜〜、金安君のスキルで植物をちょっと操れるのか………。やっぱり、俺なら夏より金安君を狙うな。」


「……冬夜ってソッチの趣味があるの?」


 夏が変な誤解をしているようだ。


「俺は女が好きだぞ。夏が考えているような変な趣味は無い。金安君を狙う理由は、ってスキルだ。何を言いたいかと言うと、食物栽培で活かせるんじゃないかと思ってる。 成長を促進したり、作物をより大きく沢山実らすとか、究極に甘い果物を作るとか。植物を操作するを変えて考えたら色々と出来るんじゃないかと思ってな。」


 ここで金安君。


「確かに…………試したことはありませんが、上手く言えませんがやれなくは無い気がします。いや、何となく出来そうな気がします!!本当に何となくですが。」


「金安君本当か!?そのスキルの直感は、大事だと思うよ。俺のスキルも何となく使い方が分かったから、可能性は十分にありえる!!」


「はい。是非挑戦してみたいと思います。」


 これは、思わぬ人材の獲得だ。

 食料問題を解決できる人材なんて……、逆に俺からお願いして居てもらう必要があるかも。完全に立場が逆になってしまう時期が訪れるかもな……。


「あとは、近藤君の清掃ってスキルも気になっているんだ。どういったスキルなんだ?」



 ◇◆◇◆◇◆◇◆


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る