第33話 ※ステータス表示あり


「冬夜さんだけでも、逃げて下さい。」


 秋実さんは、迫りくるオーガに対して俺から遠ざかるかのように明後日の方向へ走り出した。


 その時、俺の体は勝手に動いていた。

 俺は地面を思いっきり蹴るとオーガの隣まで一瞬で移動し、飛び蹴りをオーガの顔面に食らわせていた。


 ドゴーーーン。


 俺の足の裏に凄い反動が加わるが、痛みがある訳ではない。オーガは俺の飛び蹴りで勢い良く吹き飛んだ……。


『ウガァァァァーーーーーーーーー!!』


 オーガが起き上がり雄叫びを上げると、今度は俺目掛けて突っ込んできた。


 オーガの右ストレートを上半身の動きだけで躱し、左足のカウンターでオーガの脇腹を蹴り上げる。オーガは腹を押さえて頭が下がる。そこへ俺は右アッパーを入れる。そして、オーガは後ろへ倒れそうになったが倒れるのを踏ん張り、左ストレートを俺へ放ってくる。俺は一瞬気を緩めてしまって、その渾身の左ストレートを鳩尾で受けてしまった。


「うぐぅ〜〜〜〜。効くなー。10倍が返しだ!」


 左右の拳と蹴りがオーガにヒットしていく。オーガも反撃して、俺へ数発パンチを食らわすが、徐々にオーガの反撃の威力は落ちていく。


 10分ノンストップの殴り合いの末、俺はその場に立っていた。

 オーガは俺のハイキックが頭にヒットして、首の骨が折れて絶命していた。


「冬夜さ〜〜〜〜ん。」


 半泣き状態の秋実さんが俺に抱きついてきた。


『呆れた奴じゃ。主はいつからそんなに強くなったのじゃ……。でも、生きて会えて良かったのじゃ。』


 ジーニャも俺に何故か抱きついていた。



 解説しよう。

 そう、俺はオーガがスキルを使ってスピードが増しているにも関わらず、のだ。ハンク達が対処出来ていなかったのにだ。

 だから、アークとジーニャが逃げろと言っていたが、オーガがそこまで強いのか判断出来なかったのだ。確かにオーガが強い事はハンク達との戦いを見て分かったが、俺以上か?そこに違和感があった。


 結果は、俺に軍配があがった。

 オーガが万全の状態だったら、もっと良い勝負になるだろうが、それでも負けはしないだろう。


 その理由は、推測するにたぶんだろう。


 名前 : 海堂 冬夜

 レベル : 11/50

 スキル : マイスペース【ユニーク】 レベル3

  レベル1 : マイスペースに配下を召喚可能(8/30) △

   召喚チケット : 0枚

   ・大魔道士ジーニャ ☆☆☆

   ・暗黒ハンク ☆☆ (重傷)

   ・ジェイド ☆ (重傷)

   ・シード ☆

   ・キャメル ☆

  レベル2 : オプションカード枠+1枚 (****)

  レベル3 : マイスペースに施設を設置可能(0/15)▽

  レベル4 : オプションカード枠+1枚 (****)

  レベル5 : **********



 ウルフの大群を倒した辺りで俺のレベルが10に上昇した。その辺りで、感覚に違和感を覚えていたのだ。俺の体じゃないような、力が溢れるような変な感覚だ。


 皆ボロボロなってしまったが、どうにか今回モンスターの大群を乗り切れる事が出来た。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆


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