第28話


「秋美さん、そろそろ召喚チケットを使ってみようと思います。いろいろとあって先延ばしになってましたが、チケットは10枚以上貯まってます。10連があるかも知れません!」


 結構ワクワクしている俺がいる。

 何気に秋美さんも乗り気である。


「はい。実はこの時を待っていました!10連が有れば、カードが11枚出たりするんですかね?それとも、レア率が少し上昇するのも良いかも知れません。」


「うんうん。それに気になるのは、カードの種類です!オプションカード枠に使用出来るカードがあるはずなので、それをゲットしたいです!」


「オプションカードは謎ですよね?どんな内容なのか気になります。冬夜さんが使えるスキルかも知れませんよ。そうすれば、今より強くなって……チート野郎ですよ!」


「俺自身を強化出来るカードなら有難いですね。後は、仲間強化かスキル強化……召喚チケットが増えるとかもあったら良いかも知れませんね!」


 この手のオプション機能はどういった方面の内容なのか、1枚引いて見ないと予測も不可能だ。

 まず、何が何でもオプションカードを1枚引き当てたい。


「では、そろそろ引きますね………。」


 俺はステータス画面を開いて、召喚チケットの箇所をポチッと押す。


 目の前に1枚のカードが現れる。

 残念だが特段10連ガチャ的な事は無かった。残念だが仕方ない。折角なので17枚全てカードを引くことにした。


「残念ながら、10連ガチャ的な事は無かったです。この機会に折角なので、貯めたチケットを使おうと思います!」


「貯めていても仕方ないですし良いと思います。レア配下やオプションカードが出ると良いですね!」


「任せて下さい!」


 とは言ったものの………結果は、

 ・☆ 16枚

 ・☆☆☆ 1枚



 大当たりだったのは、☆☆☆だ。


 名前 : 大魔道士ジーニャ ☆☆☆

 レベル : 1/30

 スキル : 全魔法 レベル1


 召喚して見ると、155cmほどで細身、ザ魔道士というような杖、ローブ、とんがり帽子の格好をしている美女だ。


『貴殿が妾の主か? うむ、中々良い面構えではないか!気に入ったぞ。』


 そう言うと、ジーニャは俺の腕に絡みついて来た。ドキッとしてしまう…。


「ちょ、ちょっといきなり出て来て冬夜さんに何しているんですか!」


 秋美さんがジーニャに異議申し立てをしている様だ!


『何だお主は?妾は主とスキンシップを取っているだけじゃよ。どうせその内、夜伽の相手をする事になるのだから問題無いだろう?』


「「っえ!」」


 俺も驚いたが、秋美さんに凄い目で見られてしまった。


「いや、俺はそんな事しないから!」


『なんじゃ主は、妾の様な女は嫌いか?』


 ジーニャは俺に腕を絡ませて、下から覗き込む様にして上目遣いをしてくる。その仕草が色っぽく心臓の音が速くなる。

 明らかに顔が赤くなっているのが分かる。


「嫌いじゃないが……、夜の話は別だ!」


『どうせ主が妾に夜伽の命令を出せば、本当に嫌じゃ無ければ拒否出来ん。それに、妾と主の間に子供が出来ることはあり得ないから安心じゃ!』


「子供が出来ないとかそういう問題じゃありません!冬夜さんには既に良い人が居るんです。邪魔しないで下さい。」


 秋美さんがちょっと暴走気味かも知れないが、ジーニャを止めに入った。


 どうにも癖がありそうな奴が仲間になってしまった。☆☆☆なので、強力なのは間違い無いのだろうが……クセが強い。


 一旦、☆☆☆が必要な程戦力的に困って無いので、ジーニャには引き上げて貰ったのだった。


「何かすみません……。」


「冬夜さんが悪い訳じゃないけど、……ああゆう子が好みなんですか?」


「そんな事無いですよ。秋美さんみたいに波長が合う人が良いです。」


 秋美さんの頬が赤く染まるのだった。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆


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