第24話
次の日から秋美さんも拠点の外へ出るようにした。
このままずっと拠点に篭っても居られないので、モンスターがゴブリン中心の時に外での戦闘を慣らし始めるのだ。勿論俺と行動は共にしている。
それと単純に新拠点の下準備である。
実際の候補地の下見と荷物の運搬である。アイテムボックスなどの荷物を幾らでも持ち運べる便利なスキルが有れば別だが、手作業なので人手が欲しかった。
「今使って無い野菜の種などから持って行きましょうか!」
「余り大きな荷物を持って行くと怪しまれますので、少量づつですね!」
「そうですね。その他必要な機材類は別途調達しましょう!」
「はい。この紙に必要な物をメモしておいたので、冬夜さんにも渡しておきますね。」
「ありがとうございます。」「じゃあ、俺達は外出するが拠点の事は頼んだぞ!」
秋美さんとの会話を終えて、アーク達へ指示を出す。
『拠点の事は任されました。気を付けて行って来て下さい。』
「ありがとう。そっちも気を付けろよ。」
そんな生活が数日続いた。
着実に新拠点の準備が整っていった。
新拠点は山中だ!最終的に秋美さんのアドバイスを加味して、湧き水を確保できる方を選択した。
何をするにも水は必要不可欠なので水源を2箇所確保出来るに越した事はない。
居住スペースも目星はつけてある。最初は洞窟を発見したので、そこを拠点にするつもりだ。
その後、俺のスキルが育って施設が設置出来る様になれば、防衛に適した広いスペースへ移るつもりだ。
ただ、周りに人の気配は無く、モンスターの出現する魔法陣が2km圏内にある影響で、多数のゴブリンが出没していた。
要は手付かずの状態のようだ。
建物などに囲まれていた方が、何かに守られている安心感があるのだろう。
その反面、山中は奇襲があったら守られる物が無く野晒しで無防備なため、人気が無いようだ。
荷物もある程度は洞窟へ運び込んでおり、すぐにでも最低限度の生活は出来る状態にまで整っている。
そんな時、事件は起きた。
朝5時半過ぎの事だ。
「「キャーーーーーー!」」
俺は大声によって目が覚めた。
枕元に置いてある剣を握りしめて、慌てて廊下へ飛び出す。
秋美さんも俺に続いて到着した。
既に数人が集まって何かを囲うように佇んでいた。皆一様に言葉を失って黙っている。
その人の輪を掻き分けると、そこには、首が落とされた遺体があった。
そして、傍には血が付いた剣を握りしめたハンクとアークが立っていた。
「これはどうゆう事だ!?」
斉藤くんが勢いよく走って来た。
そして遺体を目にするとその場で崩れ落ちた…………。
遺体は橘くんだった。
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