第11話 愛する人
光輝く太陽の日差しが顔を照らした。
チュンチュン
鳥のさえずる声が聞こえた。
青年「んんー、朝か」
昨日はライさんの見舞いにいきすっかり夕方を過ぎていたのだ。
夜はトメさんの料理をご馳走になりとても温かく美味しかった。
青年「さて、することもないし葬式の準備しなきゃ」
青年は早速起き上がりトメさんが作り置きした朝ごはんを食べた。
すごく温かくて心が安らぐ気持ちだった。
なんだかここに来てから色々知れてすごく温かい気持ちになったのだ。
着替えて布団を干して最後の仕上げに取り掛かった。
小物を片付け身支度をした。
そしてふとおじいちゃんの日記を思いだしまた読むことにした。
ボロボロの手帳をなんとなくペラペラ開いて最後の破れたページの先にある一枚だけ不自然にあるページをめくった。
上手く重なっていて最初見たときには気付かなかった。
すると、ポロポロっと焦げた花びらと焦げた指輪が自分の手元に落ちた。
青年「なんだ、これ」
青年は続けてもう一つの日記の方に手を伸ばし読み始めた。
おじいちゃんの日記
愛する孫へ。
私が亡くなる頃には整理をしてくれていることでしょう。
その時にこの日記を読んでみて私のことを少しでも知って逝きたいと思ったところだ。
孫以外に頼る家族がいなかったからな。
君の母方も父方(一郎)も私を心底嫌っている、息子である一郎にもな。
私は遊びすぎた、でもそれでも後悔はしていない、むしろ愛する孫に少しでも知って貰えればな。
旅に出た理由もある。
それはふと思い出したんだよ、昔に愛する人を、どんなに老けても遊び惚けても忘れられんかった、先に亡くなった妻よりもな。
妻に迷惑をかけすぎることも反省した。
だからこそこれをお前に聞かせたいと思ったけど体もそう長くない。
最後の力を振り絞ってでも書き留めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます