第6話 浮遊

登場人物:三島、鉄平


しばらくして食料が尽き果てた。

どこを進んでいるかも分からない状況だ。

船を止めて魚を捕りに海に潜った。

水はたまに降る雨でコップや水溜めに溜めてしのいだ。


気休めに婚約者との思い出をつづった日記をパラパラみた。

そこには当時にしては珍しいカメラでツーショットの写真がある。

三島「京子...生きて帰るからな...」

三島は涙を拭った。

船にあるのは貴重な無線機、狼煙の残りカス、船に必要な道具や工具などだ。

それと万が一に備えた九九式短小銃とアメリカ軍からくすねたコルトM1903だ。


弾はそれぞれ30発程度。

万が一自殺を考えても十分な量だ。

三島は最後の頼みである方位磁石と小型の簡易世界地図で方角を確認しつつ日本を目指していた。

すると前方に灰色の影が見えた。

首にぶら下げた双眼鏡で覗くと...

三島「まずいアメリカ軍だ、それにイギリスの母艦までいやがる」


すぐさま北から南西の方角に切り替え進路を変えた。

残りわずかなガソリンを使いとにかく逃げた。

辺りは暗くなりエンジンを止めて仮眠をとった。

しばらくして日が差した。

心地のいい日差しだった。



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