第11話 施設にて②
卓球はその後、凛が何回もスマッシュを決めて凛・勉コンビが勝った。
その後は、バトミントン、フットサルなど一通り行い、4人は少し休憩でベンチに向かった。
「何か飲み物買ってくるよ。欲しいもの言って。」
翔は3人に話しかける
「私は炭酸がいい。」
「俺も炭酸がいいな。」
凛と、勉は早速答える。
「私は、ちょっと決めかねるから、一緒に行くわ。」
早苗はそういうと、席を立ち翔の傍に立つ。
「うん。じゃあ、行こうか。」
翔と早苗の二人は飲み物を買いに向かう。
その姿を凛はなぜか言い表せない表情で見ている。
「凛は翔のこと好きなの?」
勉はふと言葉に出てしまい、ヤバっと顔に出てしまう。
「うーん。そんな事はないんだけど。」
「でも、早苗と翔が仲良くしているの見てるとちょっとむず痒くなるんだよね。」
凛は少し怪訝そうな表情で答える。
『それって、好きなんじゃないの。』
勉は声に出そうになるがぐっと堪えた。
翔と早苗は二人で自販機に向かう。
「飲みたい物決まった?」
「まだ決まらないわ。翔は何飲むの?」
「それが、これといって飲みたーいって物がないんだよね。」
「分かるわ。今すごく欲しているのが見当たらないの。」
二人は自販機で立ちすくんでしまう。
「あっ、奥にアイス売っているわ。」
「えっ、アイスなら食べたいかも。」
二人はアイスの自販機に向かう
「食べたい物ある。早苗もありそう?」
「えぇ、食べたいものあったわ。」
そして、2人は好きなアイスを購入し、その後に凛と勉の炭酸を購入し、2人の待つ場所へ戻っていく。
「お待たせ。買ってきたよ。」
「おぉ、ありがとう。。。って2人はアイスなの?しかもお揃いで食べてるし。」
勉は、2人を見て驚いている。
「本当だぁ、アイス食べてるし。」
凛は翔の方を見てなんだか不機嫌である。
「僕と早苗は飲みたいの無くてアイスにしたんだよ。」
「私も同じよ」
翔と早苗は2人して答える。
答えてすぐ、凛が翔の前に近づいていく。
「えぃ、一口もらいっ。」
凛はいきなり翔が食べているアイスにかぶりつく。
「うぅ、美味しい♪」
凛は翔が持っていたアイスを食べてご機嫌になる。
「。。。」
翔は、凛が取った行動に驚いている。
『昔は、こんな行動しなかったよなぁ。』
翔は凛が初めてそのような行動を取った理由が分からずにぼーとしてる。
一方、早苗と勉は凛が取った行動を見て
『翔のこと好きなんじゃん。』
と思って、微笑ましく見ていた。
そして凛は、何事も無かったように翔が持っていた炭酸を取り、ゴグゴク飲んでる。
「アイスの後の炭酸も美味しい♪」
凛は周りの様子は気にせず、ご機嫌である。
早苗と勉もその後は、お互いの物を食べ進めている。
「何ぼーっとしてるの?アイス溶けちゃうよ。」
凛は翔に向かって言う。
「えっ、あぁ、そうだね。」
今だに凛の行動がイマイチ理解できない翔はぼーとしてしまう。
「もう一口もらいっ。」
そして凛は翔のアイスをまた食べた。
その行動を見てようやく翔は我に返った。
「凛。二口も食べてるじゃん!!」
「えぇ、いいじゃん。美味しそうたったんだもん。」
「いやいや、昔こんな事しなかったじゃん。」
「そうだっけ?まぁ、いいじゃん。」
「もうっ、じゃあ、凛の炭酸もちょうだいよ。」
「いいよ。はいっ。」
そう言われた凛は翔に炭酸を渡す。
そして、翔は凛の炭酸を全部飲んでしまう。
「あぁ、翔が全部飲んだぁ。」
「いいじゃん。もうほとんど残ってなかったんだから。」
「そうゆう問題じゃないっ。翔のアイス食べてやる。」
そう言って凛は翔のアイスを全部食べてしまう。
「あぁ、アイス全部食べた。ほとんど食べてなかったのに。」
「いいじゃん。アイスは私に食べて欲しかったんだよ。」
凛は飄々としている。
その2人を見ていた勉と早苗は
『もう付き合ってるじゃん。』
と思いながら、微笑ましく見ていた。
望月少年の高校生活 @straychildcat
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