第2話 報告
「ただいま。」
「おかえり。」
合格発表から帰宅し、リビングから声が聞こえる。
「高校受かってよかったね。」
「あぁ、なんとか合格したよ。」
リビングについて、妹の夏と話す。
1つ違いの中学二年生。背は高く、底の高い靴を履くと自分の身長を越してしまう。自分も身長は175センチあるから165センチくらいだろうか。体型はスレンダー、黒髪で腰まで伸ばしている。今日は期末テスト後の休みで家にいた。
「来年は私も同じ学校を従家人するから入試試験教えてね。」
「うん。わかったよ。」
ちなみに今回合格した高校は偏差値は中の上だが、県外者は入学人数の1割しか受け離れない学校で、県外者からすると中々大変な学校でもある。
今回は推薦で合格出来たが、一般入試だったらちょっと危なかったかもしれない。
「今日は合格祝いでお寿司だって。」
そう春はなんだか嬉しそうに話す。
両親は共に仕事で、お互いのチャットアプリで合格は済ましている。
リビングで一息つくと、急に眠くなる。
今までの受験で精神的にも肉体的にも疲れが出ていたのかもしれない。
「ピコン」
ふと、ぼうっとているとチャットアプリから通知が来る。
画面には『佐藤 凛』と表示されている。
「合格おめでとう。私も翔と同じ地区にある南陽女子に合格したよ。」
チャットアプリを開くとそのように書かれていた。
「佐藤もおめでとう。お互い高校生になれるね。」
「うん。朝、電車で会うかもね。」
そんなやりとりをいくつかして翔は自分の部屋のベットで一休みをした。
佐藤 凛は幼少期、今の地元に来る前の場所に住んでいた時に知り合い、それから手紙のやりとりをしていた幼馴染だ。小学校高学年になるにつれ手紙は減っていき、中学に入るとお互い部活に忙しくなり連絡を取っていなかった。しかし、去年凛から手紙が届き、チャットアプリのIDが入っていた事でお互いが繋がり、たまに連絡を取っていた。
昔はヤンチャで男の子と間違われるくらい活発、髪もショートカットだった為、男友達と遊んでいるような感覚であった。
お互い写真のやり取りや会うことはせずにここまで来ているので、正直、待ち合わせでもしない限り識別は出来ないであろう。
「今、どんな姿なのかな。」
正直、中学生の時はあまり女子と話す機会もなかったため、話す時は少し緊張してしまう。妹が唯一女子と話す様なもので、実際に凛と会った時にちゃんと話せるか不安である。
そんな事を考えながらうとうと夢の中に入っていった。
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