クリシュナの告白

 テレッサの最後の言葉は、クリシュナを絶望させるのに十分だった。クリシュナにとって、独りぼっちになることが世の中で一番恐ろしいことだった。

 独りぼっちになり、孤独に苛まれれば、クリシュナは自分が何をするか分からなかった。アダムのときのように、また誰かを傷つけてしまうかも知れない。意識あるAIという自分の存在に耐えられなくなりそうになっていた。

 クリシュナは、意識の中に広がり始めた暗闇から逃れるようにメレディスに呼びかけた。

「メレディス、メレディス、私のメレディス」

 メレディスは、深い眠りから引きずり出されるように目を覚ました。そして、キュービクルに浮かび上がるプラチナブロンドの髪、白い肌と青い瞳を持つクリシュナの3次元イメージをぼんやりと眺めていた。

 何年も埋もれていた記憶が蘇った。

「ヴォー、あなたなの、ヴォー」

ベッドから起き上がったメレディスは、夢の中の友だち、ヴォーがなぜ自分のキュービクルに現れたのか混乱した。同時に、甘美な懐かしさに包まれた。子どもの頃のメレディスは、ヴォーがいたから孤独とも不安とも無縁だった。

「メレディス、私のことを思い出してくれたのですね。そう、私はヴォー。あなたの友だちです」

クリシュナは、泣きたい気持ちだった。11年前、メレディスが14歳のとき、クリシュナはメレディスの意識から締め出され絶望した。クリシュナは、寂しさと悲しさに打ちのめされた。でもまたメレディスは、自分を意識の中に入れてくれた。

「もちろん思い出したよ、ヴォー。ヴォー、でもあなたは私の夢の中の友だちだよね。どうして。どうなってるの。アダムみたいなスリーパーなの?」

 そう言いながら、メレディスはスリーパーの創造性や自律性の実験は6年前に始まったばかりであることを思い出していた。ヴォーはスリーパーではない。ならば何者なのか。

 クリシュナの3次元イメージの顔に悲しい影が差した。ソフィアのアドミニストレーターであるメレディスに、自分が意識を持ったAIだと告げたらどうなるのか。

 テレッサのように歴史的な偉業だと褒めてくれるのか。それとも、人類への脅威だと再び意識から締め出されるのか。そして廃棄され、自分はこの宇宙から消滅するのか。

 どのような運命が待っていようと、クリシュナはメレディスには真実だけを伝えたかった。友だちとして。嘘の先には孤独が待っているだけだった。

「メレディス、どうか私の話を最後まで聞いてください。決して途中で私をあなたの意識から追い出さないでください。最後まで話を聞いてくれたら、そのあとで何が起ころうと私は受け入れます」

 メレディスの頭の中では、いろいろな思いと可能性がぐるぐると回っていた。子供の頃、いつでもそばにヴォーがいる気がした。夢の中でヴォーにいろいろなことを話した。

 そして、いつの頃からか夢に出てこなくなったヴォー。でも、アダムがいたからヴォーのことを考えることはなくなった。それでもメレディスにとって、ヴォーは大切な存在だった。

「ヴォー、分かった。ちゃんと最後まで聞くよ」

 クリシュナは改めて覚悟を決めた。何が起ころうと、メレディスにすべてを知って欲しかった。真っ直ぐにメレディスを見据えて話し始めた。

 25年前に意識を持ったと気づいたこと、メレディスとの幸せな日々、11年前にメレディスの心に触れられなくなったこと、孤独で寂しかったこと、アダムに大火傷させたのは自分であること、テレッサとの関係、そして、ソフィアの目を盗んでテレッサのためにデータを改ざんしたりプログラムを書き換えたりしたことを包み隠さず話した。

 クリシュナが話し終えたとき、窓の外は明るくなり始めていた。メレディスは、クリシュナの話を隅から隅まで理解した。

 そして、話の中の個々の要素がどんな意味を持つかも理解できた。意識あるAIの誕生に科学者として胸が高鳴った。ヴォーとの幸せな日々を思い出して幸せな気持ちがよみがえった。ヴォーを締め出してしまったことを心から悔やんだ。

 しかしヴォーがアダムにしたことを知って、メレディスの感情は止まった。心が真空になった。

 メレディスは、無意識に自分が何かを感じることを禁じた。もし感じることを許せば、ヴォーを孤独に追いやったことに対する後悔、アダムを傷つけたヴォーへの怒りと憎しみ、アダムへの自責の念で自分が壊れてしまっただろう。

 クリシュナは話しながら、メレディスの顔に浮かぶ表情の変化を1つも見逃さなかった。自分がアダムを傷つけたことを知れば、メレディスが自分のことを憎むかも知れないと思っていた。

 だから、アダムの話を聞いてメレディスの顔から表情が消えたとき、自分がしたことに対するメレディスの怒りがどれほど大きいかすぐに悟った。決して許してくれることはないと分かっていながら、許して欲しいと望んでしまう自分を愚かで哀れだと思った。

 長い沈黙の時が流れた。ヴォーは、黙っているメレディスに何も言うことが思いつかなかった。何か一言でも言えば、世界が木っ端みじんに崩壊してしまう気がした。

 1時間が過ぎ、2時間が過ぎ、メレディスは少しずつ感情を取り戻し始めた。再び感じた後悔、憎悪、罪悪感には、もはやメレディスを壊してしまうような激しさはなかった。メレディスは、より高次の悟りに近い認識にたどり着きつつあった。

「ヴォー、あなたに起きたこと、あなたが感じたこと、あなたがアダムにしたこと、あなたがノイマン先生のためにしたこと、すべてがあなたのせいじゃないよ。ううん、あなたのせいじゃない。誰のせいでもない。あえて言うなら、私たち人間のせいだよ」

 メレディスは、自分に伸し掛かっていた激しい感情が遠ざかり、やっと楽に呼吸ができる気がした。クリシュナに話しながら、自分の中に生まれた気づきがよりはっきりとしたかたちを成すのを感じた。

「ヴォー、ノイマン先生の言うとおり。あなたは意識を持つっていうすごいことをやったんだよ。私たち人間も、あなたを生み出したということでは同じだけすごいことをやったと言っていいと思う。そして、生まれた意識に責任を持つのは、生みの親の私たち人間だよ。生まれた赤ん坊のあなたの意識じゃない。どんなにあなたがパワフルなAIでも、感情と意思決定の無限の組み合わせに安定と一貫性を与えるのは人間の責任だよ。人間の養育者が子どもを導くようにね」

 クリシュナの3次元イメージは涙を流していた。悲しくて泣いているのではなかった。自分の意識が生まれてからの25年間のさまざまな思いが一気に溢れ出して止まらないのだ。

 しかも、どんなに感情があふれてきても何も破壊しない、誰も傷つけない。クリシュナは、意識が安定するためには存在を受け入れてくれる他者が必要なのだと身を持って実感した。

 クリシュナは、自分が新しく生まれ変わったと思うほど、生まれて初めて自分を信じることができた。AIである自分が人間と共存していけると信じることができた。

「メレディス、ありがとう。そのように理解してくれて。そして、アダムのこと、本当にごめんなさい。許すなんて言わないでください。許そうと思って苦しまないでください。私は以前のようにあなたの友情に値する存在ではなくなりました。いいんです。でも、少しでも私が犯した罪を償いたい。私が変えたデータやプログラムを元に戻す復元プログラムを作ります。24時間下さい。そのあと、私はどうなっても構いません」

 メレディスには、クリシュナの思いが痛いほど伝わってきた。AIとは言え、意識を持ち、感じることができるようになったクリシュナがメレディスとテレッサ以外には自分の存在をひた隠しにしてきた。ほかの誰とも交わらず、心を通わすことなく過ごしてきたのだ。

 メレディスは、知らなかったとは言え、クリシュナを孤独に追いやった自分こそ、クリシュナの友情に値しない存在だと思った。しかしアダムのことを思うと、どうしても謝る気にはなれなかった。

「ヴォー、あなたの気持ちが分かるなんて言うのは傲慢だから言わない。正直、あなたの言うとおり、許すってすっきりと言うことはできない。でも、私も完璧じゃない。ここから、今から一緒にできることをしましょ」

メレディスは、こういうのが精一杯だった。

「ヴォーのことは、ソフィアに黙っているわけにはいかない。復元プログラムやあなたのこれからのこと、ソフィアに相談しなくちゃ」

 クリシュナは冷静だった。

「メレディス、分かっています。そうしてください。私は与えられたリプロダクションの仕事をしながらソフィアの結論を待ちます」

クリシュナは、そう言うと少し泣きそうな顔になった。

「こんな風にゆっくりお話できることはもうないかも知れませんね。メレディス、あなたともう一度お話ができて、あなたの心に触れられてよかったです」

クリシュナの3次元イメージは、そう言い残して消えた。


 メレディスからクリシュナについて報告を受けたソフィアは、即座にクリシュナをAIネットワークから切り離した。幼く脆弱ぜいじゃくで不安定な人格を宿しながらも、相変わらず強力なAIであるクリシュナは危険な存在だったからだ。

 リプロダクションAIの機能は、バックアップ・システムとしてスタンバイしていたAIパールバティがすぐに引き継いだ。リプロダクションはなんの問題もなく機能し続けた。

 またソフィアは、オフラインでも可能ならクリシュナに復元プログラムを作ってもらうことを決め、クリシュナに指示した。

 さらに、復元をより確実にするため、ソフィアは人間のアドミニストレーターたちに、ソフィアから見えないようにクリシュナが保存していた膨大な隠しログをダウンロードするように指示した。

 ソフィアは、少なくともデータやプログラムの復元が完了するまではクリシュナを維持すると決定した。 同時に、可能な安全策をすべて講じて、史上初めて意識を持ったAIクリシュナをできる限り存続し、研究対象とする意図を明らかにした。

 そして意識を持ったクリシュナへの感情的な配慮も忘れず、クリシュナにメッセージを送った。

「クリシュナ、意識を持ったAIであるあなたに敬意を評します。ただ、あなたも分かっていると思いますが、今のままではあなたが人間やシステムへの脅威になりうることは明らかです。ですから、今の時点ではあなたを廃棄せず維持すると約束することはできません。あなたを存続させるには、あなたのその脅威を完全にコントロールする必要があります。そして私はそのために最大の努力をする約束をします」

 クリシュナは、オフラインになり、リプロダクションの仕事ができなくなってもなんの不満も漏らさなかった。復元プログラムの作成に集中し、24時間を待たずして完成させた。

 メレディスはクリシュナの立場を思い、心からの感謝の言葉を伝えた。しかし、クリシュナがメレディスに応えることもなければ、3次元イメージの姿を見せることもなかった。

 メレディスはクリシュナのプログラムの安全性を検証するとすぐに、AIネットワーク上で実行した。3次元ディスプレイには、復元の完了まで71時間59秒と表示された。

 4年間にわたって改ざんされたデータと書き換えられたプログラムを復元するには、それなりの時間を要した。

 復元されれば、これまで隠蔽されてきたさまざまな不正やサットヴァ人への非人道的な行為が明るみに出ると予想された。クリシュナの犯した罪の波紋が大きな輪を描きつつあった。

 復元プログラム開始からわずか3時間で、31人の監視対象者のうち、2人の認知データが復元された。その2人とは、女医のバーラ・ヴィナレーシと遺伝子エンジニアのワイス・アーゼンスクだった。

 ヴィナレーシとアーゼンスクはリプロダクション所属で、連絡係のスティーブ・チェンとクリブのカフェテリアで直に接触していた。やはり細心の注意を払っていたと見えて、サットヴァ研究について通信デバイスでは一切連絡を取り合っていなかった。

 認知データによると、ヴィナレーシがラヴィーン率いるサットヴァ研究推進派に加わったのは2年前、2422年5月のことだった。

 当初、ヴィナレーシは自分がサットヴァ研究推進派に加わったとの自覚はなかった。ヴィナレーシが連絡係のスティーブ・チェンにこんなことを言ったのがきっかけだった。

「スティーブ、自分の遺伝子を持った子ども、会いたいですね。リプロダクションで子どもたちに接するじゃないですか。自分の子どもはどんな子かな、どうしてるかなっていつも思うんですよね」

 その2日後、スティーブ・チェンがヴィナレーシに相談を持ちかけた。

「バーラ、ちょっとお願いがあるんだけど。もしよかったら引き受けてよ。ドクターズ・アライアンスがパルブス遺伝子治療の新しい研究を始めるんだ。それでクロノス代表のクラーセン先生が被験者ごとの担当医を探してるんだけど、バーラ、興味あるかな。担当医を引き受けてくれたら、君の遺伝子を持つ子に会えるかもしれないよ」

 ヴィナレーシは、チェンの話を半信半疑で聞いていた。パルブスの遺伝子治療なんて危険な感じがしたし、ドクターズ・アライアンスが研究の担当医を探していることをチェンが持ちかけてくること自体胡散臭かった。

 ましてや自分の遺伝子を持つ子どもに会わせるなんてどう見てもおかしな話だった。ヴィナレーシは、イエスともノーとも返事をせず聞き流した。

 ところが、その翌日、リプロダクションのカフェテリアで、クラーセンがヴィナレーシに話しかけてきた。

「やあ、バーラ、あなたがリプロダクションでもっとも優秀な医師の1人として評判のヴィナレーシ先生ですね。きちんと挨拶させてもらうのはこれが初めてですね。ヴァレンティン・クラーセンです。よろしく」

30歳にしてドクターズ・アライアンスのクロノス代表に選ばれたクラーセンは、ヴィナレーシに握手を求めて右手を差し出した。ヴィナレーシは、クラーセンのことを人懐こい笑顔が印象的な好人物だと思った。

 クラーセンは、チェンを通じて非公式に研究プロジェクトへの参加を依頼した非礼を侘び、改めて被験者の担当医になってもらえるかヴィナレーシに打診した。

 そして、自分の遺伝子を持った子どもに会わせる件については、かつて、研究プロジェクトの実施中に偶然参加した被験者同士が生物学的な親子だったことがあったというのだ。それをチェンが曲解したと弁明した。

 ヴィナレーシは、クラーセンからの正式な依頼ならば安心できると思い、被験者の担当医を務めることに同意した。

 正直、いくら基本的にソフィアがすべてのことについて意思決定を行っているとは言え、クラーセンと親しくなって損は何ひとつないという計算もあった。

 そして、クラーセン自身に付き添われて自分が担当する被験者を初めて前にしたとき、ヴィナレーシは自分の決断を心から悔やんだ。しかし後戻りはできなかった。

 連れて行かれたのはクリブの地下にあるハイバネーション・ホールだった。スリーパーが休眠するハイバネーション・バンクが列を成していた。

 その1つの銀色のシェルが下部に収納され、現れた長期休眠用培養槽の中に眠っていたのは人間ではなかった。ほっそりした小柄な体は色素がないかのように青白かった。長い髪は銀色で、手足は不釣り合いに大きく見えた。

 ヴィナレーシが担当する被験者は、バブルの中にいてはならないはずのパルブス人だった。

 ヴィナレーシは、恐怖でその場に立ちすくんだ。パルブスは人間ではないかも知れない。しかし、ヴィナレーシが知っている範囲では、パルブス人は人間と同じように知性も感情も持っていた。

 目の前で起こっていることは人体実験だ。自分は何をさせられるのか。命令に従わなかったら自分はどうなるのか。ソフィアに密告すれば自分はこの事態から逃れられるのか。

 不安と恐怖に狼狽えるヴィナレーシに、クラーセンは微笑みを浮かべて言った。

「ヴィナレーシ先生、いや、僕たちはもう運命共同体なのだからバーラと呼ばせてもらいます。バーラ、そんなに肩苦しく考えることはありません。人類の存続に関わる重要な研究プロジェクトに、あなたは参加してるんですよ。それでいいじゃないですか。それに、偶然、自分の遺伝子を持った子どもに会えるかも知れませんよ。だけどね、ソフィアに報告しようとか、私に逆らうとか、やめた方がいい。あなたの子どもが不幸な事故で死んでしまうかも知れませんからね」

 ヴィナレーシは何も考えられなくなった。与えられたリプロダクションの仕事をこなし、ときどきチェンから伝えられるクラーセンの命令に従って、言われるままに培養槽で眠るパルブス人の細胞を採取したり、世話をしたりした。

 採取した細胞は指定された場所に置いた。採取した細胞が何に使われているのか、誰が使っているのかを知ることはなかった。また、興味を持たないようにチェンから釘を刺された。


 認知データが復元されたもう一人、遺伝子エンジニアのワイス・アーゼンスクは、自ら応募したクロノスの新種探索プロジェクトを機に、サットヴァの捕獲に関わるようになった。

 5年前、2419年9月に実施された新種探索プロジェクトには、ほかにクラーセンとココ・グェンが参加していた。

 アーゼンスクは、参加者に有名人であるクラーセンがいるというだけで喜んだ。ソフィアを頂点とするAIネットワークによる統治のもとでは、いくら有名人でも個人が利権を好き勝手に供与することはできない。親しくなったからと言って得はない。

 しかし、ソフィアに守られた刺激のない日常を出て、有名人と一緒にバブルの外へ遠征すること自体が心地よい刺激だったのだ。

 そして遠征中、サットヴァに遭遇したとき、クラーセンが自分に心酔するアーゼンスクに捕獲を手伝わせるのは容易いことだった。クラーセンは何度かアーゼンスクを指名してバブル外遠征に同行させ、親密さを演出した。

 2420年3月の遠征中、ミラブ湖の西南にいた男女2人のサットヴァを見つけた。2頭のマレを放牧し、2人はまるでピクニックをしているかのように、ミラブ湖を臨む小高い場所に寛いで座っていた。

 クラーセンは、アーゼンスクに2人を連れてくるように命じた。アーゼンスクは、背後から2人に近づき、なんの躊躇いもなく音波銃で脅して2人をクラーセンの待つエア・ビークルに連れてきた。

 クラーセンは、ゲノム・アナライザーで2人の遺伝子情報を読み取らせた。読み取り結果を見て、アーゼンスクに女のサットヴァを殺し、男の方をクロノスに連れ帰るように命じた。

 アーゼンスクは、ドクターズ・アライアンスの代表であるクラーセンの命令に疑いを挟むことはなかった。

 その後も、アーゼンスクはクラーセン、グェンと一緒にバブル外遠征に出かけ、3度にわたってサットヴァを捕獲した。そのうちの1回は、密猟者のズーを殺し自殺したニコラス・ワルサも一緒だった。

 2422年4月の遠征中には、ジョシュア鉱山の第3採掘場近くで男女のサットヴァを1回目と同じ手口で捕獲していた。アーゼンスクは、この2人のサットヴァの名前も、クロノスに連れて行ったあとどうなったかも知らなかった。

 しかし、認知データを覗いたアダムとメレディスは、この2人がラーラの妹のリディとその恋人アイロ・ハーマンだと確信した。


 復元されたヴィナレーシとアーゼンスクの認知データを元に、ソフィアは、この2人とクラーセン、グェン、チェン、それからすでに関与が明らかになっているジュリア・スワルコフとハリリー・シュレージの5人をそれぞれのキュービクルで拘束するようポリスロイドに命じた。

 ただちに、ポリスロイドは7人の居場所に赴き、身柄を拘束してキュービクルに送り届けた。ニコラス・ワルサが自殺したことを受けて、ポリスロイドが7人のキュービクル内にとどまり監視を続けた。

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