第2話 過ち

だからこそ間違いが起きてしまった。

お酒が入っていたせいもあり、男はその子とホテルへ入ってしまった。

砕けた仲だったからこそ自然な流れでそうなってしまった。

彼女も特に嫌そうな様子はなかった。

それはそういう行為に慣れているのかというと決してそういう風にも見えなかった。

久しぶりにしたSEXは楽しかった。

しかし、精液を出し終わった後、アルコールもからだから抜けていたのもあり、我に返り自分がした行為が最低であると認識した。

"俺はその子のことが好きではない、なのに抱いてしまった"と後悔した。

隣にはその子が穏やかに寝ている。

男は抱き寄せることもせず背中を向けて寝た。


男はそれ以降その子に対し明らかに冷たく避けるような態度が多くなった。

しかし身近にいる異性という存在なのと、なおかつ他にマッチングして仲良くなった女性がいなかったからこそ、男はすぐさまその子から離れることはできなかった。

その子はとても優しい性格でもあり、一緒にいて穏やかな気持にもさせ、そして一緒にいるのが楽しかった。

男はその子とはそれ以降SEXは一切せずに友達関係でいようとした。

その子といるのは楽しい――でも正直付き合いたいとは思えなかったからだ。

友達関係で居続けられるのなら男もその子も楽しいのだから何も悪いことはないと、そう信じ込んだ。


それからも2人はいろんなところに遊びに行った。

水族館やら動物園やら花見や江ノ島などに行ったりした。

けっこうな頻度で遊んではいたが一回も男は手を繋ごうとはしなかった。


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