第5回 従者枠2(異世界ファンタジー)

「おはようございます。主さま」

 目が覚めたばかりの俺の前に見知らぬ誰かがいた。

 見た目は全身が白毛で覆われていて、顔は犬のよう。

 二足歩行をした犬。

 身長もかなり大きめで1mはゆうに超えている。が、それでも1.4mほどに見える。

 普通の動物より大きい。

 それにしゃべってる。

「どうされましたか?」

 彼女?は俺にそう訊いた後、すぐに自分で解決して自己紹介をし始めた。

「すみません。主さま。私は主さまの従者をすることになったサラと申します」

「獣者?」

 ペットになるってことかな?

「左様でございます」

「え、ちょっとしゃべる犬はちょっと……。他当たってください」

 俺は彼女?にここからでて行くよう背中を押し扉の方へ向かった。

「ちょっ!ちょっと待ってください。何か勘違いしてません?」

 彼女?はあわてて言う。

 一旦話を聞くことにした。



「なるほど」

 どうやら、彼女は俺の母親から言われここに来たらしい。

 彼女は獣人の中でも獣寄りの獣人で、親にも村にも嫌われ売られたらしい。

 そこに母親が俺が獣人の女の子が好きということを思い出し、夕飯の買い出しついでに買った。

 いやいや、ついでで買うものじゃないでしょ。

 そして、従者としてうちへ来たということみたいだ。

「えっと……。どうやって入った?」

 純粋な疑問だ。

 自分では開けてないし、ちゃんと鍵もかかってたはず。

 彼女はちゃらんとあるものを取り出した。

「スペアです」

 母親から部屋の鍵のスペアをもらって入ってきたというのが彼女の主張だった。

 ってかなんでスペアとかあるんだよ。渡してないんだけど。



「あー、そいえばさ。君、今日どうやって寝るの?」

 見渡してもベッドは一つで俺の分しかない。

「主さまの上で寝ますけど?」

「俺の上って?」

「主さまのお布団の上です。お腹辺りでしょうか」

「暑いわ!」

 さすがに全身が白い毛で覆われてる彼女がくっついているとこの時期はきつい。

 これから一緒に買いに行くことを決めた。

 ペットのような同居人が増えた。

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友題 まれ @mare9887

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