第3話 総ターン数2ターン目友軍ターン開始、勝利条件が追加される。
総ターン数2ターン目友軍ターンが始まり、友軍ユニットのロッソが移動を終了する。ロッソは盗賊の攻撃範囲から外れたっぽい。一安心。
総ターン数2ターン目敵軍のターン開始。
カインに攻撃されてHPが減っている盗賊が、カインに攻撃を仕掛けてきた。カインに7のダメージ。司祭ローザの『リカバーの杖』をケチらずに回復しておいてよかった。
これでカインが反撃をしたら盗賊を倒せるね。
カインが反撃を外した!!
「はああああああああああああああああああああああ!?」
カインの馬鹿!! なんで反撃を外すのよ!!
使えない。カイン、本当に使えない……っ。攻撃を食らい損じゃないのよー!!
そして盗賊の攻撃は続く。あ、カインじゃなくてアベルに攻撃した。アベルの反撃!! クリティカル攻撃!! さすが有利武器装備してるだけのことはある!!
アベルが盗賊を一撃死させた。
■■■
「こんなところで……死にたく、ねえよ……」
首から血を流しながら盗賊が呟き、そして彼は仰向けに倒れた。
初めて人が殺されるところを見たリラとミリィは青ざめ、身体を震わせる。
「怯んではいけない。戦場では恐怖に竦めば殺されます」
司祭ローザは震えるリラとミリィを見つめて、毅然として言う。
リラとミリィは唇を噛みしめて肯いた。
「ヤベえ!! あいつ死んだぞ!! 俺は逃げるからな……っ!!」
仲間が死んだことに狂乱した盗賊の一人は逃亡を始めた。
【勝利条件が追加されました。勝利条件をご確認ください】
■■■
「雑魚敵の死にざまにもドラマ有りだねー。あ、盗賊の死体ってそのまま残るんだ。珍しい」
ファンタジーSLGでは敵を撃破するとマップに表示された敵グラフィックが消失することが多い。でも死体が消えるのは不自然だよねえ。
私はそんなことを考えながらメニュー画面を開き、勝利条件を確認する。
【勝利条件 盗賊の全滅/盗賊全員のマップ離脱】
「盗賊を離脱させてもいいんだね。経験値が欲しければ追いかけて殺してもいいかもだけど。とりあえずロッソの会話を見てから決めよう。ロッソと会話すれば会話イベントは全部見たことになるよね」
私はそう言って会話イベントの発生条件を確認する。
【会話 リラ→ロッソ ミリィ→ロッソ】
「あれっ? 【ミリィ→ロッソ】の会話が増えてる!!」
ヤバいな。『正義の旗を掲げよ』は勝利条件の追加をアナウンスしても会話イベントが増えたことはアナウンスしないのか。会話イベントの発生条件を確認してよかった。
ミリィとロッソの距離が近いから、まずは【ミリィ→ロッソ】の会話を見よう。
私はミリィを隣接させて『会話』コマンドを選んだ。
ミリィとロッソの会話が始まる。
■■■
「助けて。村が……父さんと母さんが、ハンナが……っ」
盗賊から逃げて来た少年が涙声でミリィに縋りつく。
ミリィは見知らぬ少年に突然縋りつかれて困惑したが、彼の身体が震えていることに気づいて優しく抱きしめた。
「大丈夫よ。聖騎士のアベル様とカイン様はとても強いの。きっとあなたのお父さんとお母さんを助けてくれる」
ミリィが少年の背中を撫でながら励ますと、彼は小さく肯いた。
「あなたは馬車の中で休んで。盗賊退治が終わったら声を掛けるわ」
「わかった。ありがとう。オレの名前はロッソだよ。あんたの名前は?」
「ミリィよ。さあ、早く馬車に行って」
ミリィの言葉に肯き、ロッソは馬車に向かった。
■■■
ロッソが馬車に入った。ミリィとロッソの会話イベント面白かったけど、ロッソが馬車に入っちゃったから【リラ→ロッソ】の会話が見れない。トラップ……。
***
【第一章 盗賊との遭遇 総ターン数2ターン目敵軍ターン終了】
司祭ローザの『リカバーの杖』1回使用 6/8
聖騎士カインの『聖騎士の槍』1回使用 48/50 ※攻撃は命中せず
聖騎士アベルの『聖騎士の剣』1回使用 49/50
聖騎士カインのHP 20/27
聖騎士アベルののHP 17/25
【ミリィ→ロッソ】の会話確認/【リラ→ロッソ】の会話消失
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