第2話 1章総ターン数1ターン目友軍ターンと敵ターン終了、総ターン数2ターン目開始
総ターン数1ターン目自軍ターンが終わったので、次は友軍のターン開始だ。
友軍はオートで行動するからプレイヤーの私は画面を見ているだけだ。
馬車のヤンと見習い神官の少女ミリィはその場から動かず、傷だらけの少年改め、リカバーの杖で全快した少年ロッソが馬車の方に移動してきた。ロッソが全快したのでキャラグラフィックの傷が消えている。芸が細かい。
ロッソの移動値は4くらいかな。私の女主人公リラと似たような移動範囲だ。
盗賊と距離が離れたし、聖騎士二人も騎馬で向かってるから盗賊の攻撃を受けずに『会話』に持ち込めるかもしれない。
友軍ユニットが全員行動を終了したので友軍ターンは終了。
次は敵軍ターン開始だ。盗賊たちの会話が始まった。
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「ヤバいぜ、強そうな奴がいる。ありゃあ聖騎士じゃねえか……っ!?」
「ビビんなよ。落ち着け。馬に乗った騎士だとしても、こっちには3人いるんだ。馬を3人で囲んで一斉に攻撃すりゃあ勝てるさ。村の襲撃だって成功しただろ?」
「そうだぜ。それに、奴らの後ろには女がいる。連れ帰って楽しもうぜ」
盗賊たちは下卑た笑い声を上げ、武器を構えた。
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ファンタジーSLGの原則は『一騎を複数で囲んで攻撃』なんだよね。序盤に出て来る雑魚キャラのくせに、原則を踏まえていて偉いぞ、盗賊。
盗賊たち3人が移動を終了した。緑髪の聖騎士カインを狙って移動したっぽい。
総ターン数1ターン目終了、総ターン数2ターン目開始。まずは自軍のターンだ。
「カインが交戦範囲に入ってるから、盗賊の装備確認しておこう。武器は『錆びた斧』で防具は『皮の鎧』と『皮のすね当て』か。盗賊っぽいな」
『錆びた斧』の物攻値は低そうだから、たぶん一撃死はしないだろう。
カイン、突っ込め!! 盗賊その1を撃破だ!!
私はカインを盗賊に隣接させて攻撃を仕掛けた。
カインの装備武器は『聖騎士の槍』だ。盗賊が装備している『錆びた斧』とは相性が悪い。
ファンタジーSLGは武器ごとに有利・不利属性が設定されていることが多い。
ファンタジーSLG『正義の旗を掲げよ』も武器の『三すくみ』を採用している。
剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い……というのが、武器の『三すくみ』の法則だ。弓はどの武器にも強く、メイス系は斧に分類される。
「カインの攻撃命中率72パーセントか。でも70パーセント超えてたら大丈夫でしょ」
カインは不利属性の武器『聖騎士の槍』で盗賊に攻撃を仕掛けた。
外した……!! そして反撃を食らった!! カインのHPが7も減った!!
カインは『聖騎士の鎧』を装備してるのに!! 『聖騎士の鎧』脆すぎるでしょ!!
カインが攻撃を外したことに納得できなかった私は、データをロードした。
攻撃が当たるまでロードを繰り返す。そんなことやってると、結局『命中率100パーセント』ってことになるよねっていつも思う……。
ロードを3回繰り返してようやくカインの攻撃が当たった。盗賊に10のダメージ。でも撃破には至らず。斧に対して有利属性の武器『聖騎士の剣』を持っている赤髪の聖騎士アベルは盗賊に一歩届かず。2マス攻撃できる武器を持ってたら攻撃できたのに。
「カインの回復、どうしようかなー。回復しないと死にそうだよね……」
私は迷った末に司祭ローザの『リカバーの杖』でカインを回復した。カインのHPが全快した。『リカバーの杖』の使用回数が1回減った。
次は【リラ→ミリィ】の会話を見よう。
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リラは盗賊に怯え、その場に立ち尽くすミリィに駆け寄り、話しかけた。
【選択肢】
ミリィを励ます
ミリィを叱咤する
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「選択肢、どっちを選ぼうかなあ。『ミリィを励ます』にしよう」
私は『ミリィを励ます』を選択した。
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「そうよね。怖がっていてもどうにもならないわよね。わかった。わたしも頑張る。でもやっぱり盗賊が怖いから、わたしに盗賊を近づけないでね」
『ミリィが自軍ユニットになりました』
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「おー。ミリィが自軍ユニットになった。『ミリィを叱咤する』を選んだらどうなったんだろう?」
ちょっと疑問に思ったけど、ロードしてまたカインの攻撃が当たらなかったら面倒くさいのでこのままゲームを進めることにした。
数2ターン目自軍ターン終了だ。
***
【第一章 盗賊との遭遇 総ターン数2ターン目自軍ターン終了】
司祭ローザの『リカバーの杖』1回使用 6/8
聖騎士カインの『聖騎士の槍』1回使用 49/50
【リラ→ミリィ】の会話終了、ミリィが自軍に加入
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