大陸一の怪盗を縛り付ける呪縛

主人が指を鳴らし召喚したモノを見てシルディアはビクリと震えた。


「解るかい?『悪魔族』には個人個人に縛り付けられているモノがあるんだよ。君を縛り付けていたのは...勿論言わずとも最上位の呪縛だね。」


主人の手のひらには心臓の様な真っ赤な液体が乗っておりそれを見てシルディアは真っ青になった。

そんなシルディアを置いて主人は話し始めた。


「でもね、呪縛を唯一解ける例外の『悪魔族』が存在する。さぁなーんだ?」


シルディアは恐る恐る答えた。


「それは...敬愛するご主人様です。」


「大正解!呪縛を解けば『世界の核』に触れても『悪魔族』は消滅しないんだ。不思議でしょーふふふ。」


主人は手のひらに載っている物体を握りつぶしその瞬間赤い肉片が飛び散った。


「これでね、君はもう呪縛に気にすることない。我は知っておるぞ、其方の呪縛の効果を。『盗みに失敗したら存在が消滅する』とかだったかな?」


そう、正解。

だから私は『悪魔族』ながら怪盗として財宝を盗んだ。

自分の欲を満たすためではなく盗んだら呪縛の効果が薄れるから。

これで私は...自由なのかしら?

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