大陸一の怪盗は報告する

シルディアは屋敷から屋敷へ飛び移りながら目にも見えぬ速さで東へ向かっている。

もう何分立っただろうか?

30分程経ったところでシルディアは一つの大きな屋敷の前で止まった。

その屋敷はいかにも黒く庭の木は枯れており禍々しかった。

シルディアは屋敷の四階のテラスに上り扉を開けて中に入った。

中には大きな椅子と破れたカーテン、そしてあり溢れる財宝。

椅子には一人の男が座っていた。

シルディア同様目元が隠れる仮面をしており深くローブを被りローブからは長い黒髪が零れている。


「幹部、序例一位、凶狂の怪盗よ。今回の宝は何だ?」


男が言うとシルディアは男の前まで行き膝づいた。


「ご主人様、今日の宝は『妖精の守護石』であります。」


シルディアが言うと男はフッと笑った。


「盗む前に少しアクシデントがあったじゃないか?まあ良い、それより我々の目標まであと少しだな。」


「そうですね、失敗すらしなければこの世界いや、‐‐と‐‐を同一化できますね。」


「ここまでご苦労だった、よく人間たちの中で生き延びてくれた。我が唯一の親友、魔神シルディアよ。」

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