ゆめのなか
私は夢を見ていた。夢の中では、私は美しい森の中を歩いていた。木々の間から差し込む日差しは、私の心を温かくした。私はこの場所が好きだった。ここに来ると、現実の悩みや苦しみを忘れられた。
私は森の奥にある小さな池に向かった。池には白い百合が咲いていた。私は池に近づき、水面に映る自分の姿を見た。私は自分が美しいと思った。長く黒い髪、大きな瞳、白い肌、細い首、豊かな胸、くびれた腰、長くすらりとした脚。私は自分に満足して微笑んだ。
すると、水面が揺れた。私は驚いて顔を上げた。そこには誰もいなかった。しかし、水面に映る自分の姿が変わっていた。髪が赤く染まり、瞳が黄色く光り、肌が青白くなり、首には牙痕があり、胸や腰や脚がゆがんでいた。それはまるで悪魔のようだった。
「キャー!」私は叫んで後ずさった。すると水面から手が伸びてきて私の足首を掴んだ。「助けて!」私は泣き叫んだ。「誰か助けて!」
「助けてあげるよ」隣に立っている男性の声が聞こえた。「大丈夫だよ」彼は優しく微笑んで手を差し伸べた。「僕が守ってあげるよ」
「ありがとう」私は彼に感謝して手を取った。「あなた誰?」
「僕?僕は君の恋人だよ」彼は言ってキスをした。「君と一緒に暮らしたかっただけなんだ」
「恋人?」私は戸惑った。「でも僕達初めて会ったじゃない」
「そうじゃないよ」彼は言って首筋に舌を這わせた。「僕達ずっと一緒だよ」
「どういうこと?」私は不安になった。「どうして?」
「君が知らないうちに僕達結ばれてるんだ」彼は言って耳元で囁いた。「君の血も心も体も僕のものだよ」
「え?」私は恐怖に震えた。「何言ってるの?」
「君が夢見る森も池も百合も全部僕が作っただけなんだ」彼は言って目を見開かせ
、「本当の姿を見せてあげるよ」
彼の顔が変わっていく。髪や瞳や肌や牙や爪や角や尾や羽根・・・全て悪魔そのも
のだっ
「これが本当の僕だよ」彼(それ)は言って笑っ
「君も・・・
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