カエルの哲学
ある日、カエルの王様が池の中で思いついたことがあった。それは、「自分は本当にカエルなのだろうか?」ということだった。王様は自分の姿を水面に映してみたが、それがカエルであるという確信が持てなかった。もしかしたら、自分は人間や動物や植物や石や星や何か別のものに見えているのではないかと不安になった。
そこで王様は、池に住む他のカエルたちに聞いてみることにした。「ねえ、君たちは私をどう思う?私は本当にカエルだと思う?」と尋ねた。すると、カエルたちは一斉に答えた。「もちろんですよ、王様。あなたは我々の偉大なる王様であり、最高のカエルです。あなた以外にカエルだと言える者はいません」。王様は嬉しくなって笑顔を見せたが、心の中ではまだ納得できなかった。
次に王様は、池から出て森に住む動物たちに聞いてみることにした。「ねえ、君たちは私をどう思う?私は本当にカエルだと思う?」と尋ねた。すると、動物たちは色々な答えを返した。「あなただけじゃありませんよ。私も本当はウサギじゃなくて人間だったりするんですよ」「あなただって食べればおいしいんじゃないですか?食べ物だからカエルじゃありませんよ」「あなただって歌えば鳴くんじゃないですか?音楽家だからカエルじゃありませんよ」。王様は困惑して眉をひそめたが、心の中では少し興味を持った。
最後に王様は、空から降りてきた天使に聞いてみることにした。「ねえ、君は私をどう思う?私は本当にカエルだと思う?」と尋ねた。すると、天使は優しく微笑んで答えた。「あなただって神さまの創造物ですよ。神さまが作ったものすべてが美しいですよ。形や名前や役割ではありませんよ。心や魂や存在そのものが素晴らしいですよ」。王様は感動して涙を流したが、心の中ではついに納得でき
《終》
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