海でのお約束!? 日焼け止め塗り!
夏なので海に来ている俺達女子寮の住人達。全員着替え終わったので早速海で遊ぼうという事になった。
「じゃ、わたしはイイ男引っ掛けてくるからあんたたちは勝手に遊んでなさい! あんたたちももう大人なんだから自分のやった事は自分で責任とれるでしょ? じゃね!」
寮長はそう言うが早いか「ビュン!」と人が集まっている所に走って行ってしまった。彼女のだらしなく汚いケツがブルブル揺れて気持ち悪い。確かこの前TVの動物番組で見たカバのケツがあんなんだったな。
…最初から寮長が海に来た目的は男を引っ掛けるためだって言ってたけどさぁ。一応年長者として俺たちの引率も兼ねてるんだから全部ほっぽり出していくのはどうなのよ。寮長という寮の責任者としてあるまじき言動である。まぁ寮長に元々そんな期待などしていなかったが。
俺達5人は呆れた目で寮長が男を引っ掛けに行くのを見送った。
「…気を取り直して、俺達も泳ぎますか」
俺たちは俺たちで楽しもうと声をかける。久々の海! そして何より大学の4女神と言われる美少女たちと一緒に来ているのだ。ワクワクしないわけがない。俺は希望に満ちた顔で4人の美少女たちに誘いをかけた。
「そ・の・ま・え・にぃ~。兼続にお願いがあるんだけど…?」
先輩がニヤリと何かを企んでいるような顔をしながら俺に言葉を放った。…また碌でもない事を考えている顔だな。大蒜醤油の本はこの前俺が手伝って捨てたので、彼女の入れ知恵ではないと思うが…。一体何をやらされるのだろうか?
「日焼け止め、塗ってもらえないかしら?(ちょっと恥ずかしいけど…、これなら流石の兼続もドキドキするはずよね? だって女の子の体に直接触るのよ? 男の子ならドキドキしないはずないわ!)」
先輩はそう言ってニコニコで俺に日焼け止めのクリームが入った容器を手渡してくる。
「え゛っ?」
俺は無意識に先輩からクリームの容器を受け取る。しかし先輩の言った言葉の意味を理解できずに固まってしまった。…この人今何て言ったんだ?
「だからぁ。兼続に日焼け止め塗って欲しいのよ」
先輩は相変わらずニヤニヤとしながら俺に先ほど言ったのと同じ言葉を言ってくる。そして砂浜にうつ伏せにになると紐ビキニのブラ紐を解いて「早くぅ」とせかしてきた。彼女の綺麗な背中が丸見えだ。
この人マジで言ってるのか!? 日焼け止めを俺に塗って欲しいって…。う~ん…彼女の彼氏づくりに協力すると言ってしまったので、もしかすると俺は便利屋のように思われているのかもしれない。だが流石に付き合ってもない男にそういう事を頼むはどうかと思うけど…。
「それは…別に俺が塗る必要はないのでは? 千夏とかに頼めばいいと思いますけど?」
俺はたまたま横にいた千夏の方を見る。彼女は俺と目が合うと露骨に嫌そうな顔をした。
「私は嫌よ。先輩は兼続をご指名なんだから兼続が塗りなさいよ(私が先輩にクリームを塗ると嫌でも先輩の胸の大きさを
「えぇ…。じゃあ冬梨」
俺は冬梨の姿を探してキョロキョロと見回したが彼女の姿はどこにもなかった。
「冬梨ならさっき『お腹減った』とか言って売店の方に行ったわよ」
「あいつ相変わらず食い意地張ってんな…」
俺はため息を吐きながら最後の一人である秋乃の方に目を向ける。
「秋乃、頼めるか?」
「う、うん。わかったよ。先輩、私が代わりに塗りますね(美春先輩…兼続君に日焼け止めを塗って欲しいってどういうつもりなんだろ? ハッ! そういえばこの前先輩は兼続君に好みの女の子の事を聞いてたよね? もしかして…先輩も兼続君の事が好きでこんな事を頼んだんじゃ? あわわわわ…そんなのダメだよ。ここは私が阻止しなくちゃ!)」
流石秋乃だ! 彼女は俺から日焼け止めクリームを受け取るとうつ伏せになっている先輩の横に膝を付けて容器の蓋を開ける。しかし先輩がそこで「待った」をかけた。
「そういえば秋乃もまだ日焼け止め塗ってなかったわよね? 秋乃も兼続に一緒に塗ってもらえればいいじゃない?(別に秋乃に塗ってもらってもいいけど、それじゃあ兼続をドキドキさせるという私の目的が達成できないのよね)」
「へっ?」
秋乃は先輩の言葉を聞いて固まった。そりゃそういう反応になるよな。付き合ってもいない男に日焼け止めを塗られるのなんて普通は嫌だよ。先輩も変な事を言わないで欲しい。
「(兼続君に日焼け止めを塗ってもらえる…? それいいかも…。でもそうすると先輩が兼続君に日焼け止めを塗らせようという目的を阻止できない…。これは究極の選択。どうする…秋乃?)」
秋乃はしばらく考え込んでいる様だったが、やがて何かを決心したような顔つきになると自分も先輩の横にうつ伏せに寝転び、ビキニの紐をシュッと解いた。
「兼続君! 私にも日焼け止め塗ってくれると嬉しいな////(ううっ…自分の欲望の方が勝ってしまった…。今回は見逃します先輩…)」
「えぇ…」
いったいどうしたんだ秋乃まで…。夏の日差しにやられて判断能力がおかしくなったのだろうか…? 俺は助けを求める目で千夏の方を見る。が、やはり千夏はそっぽを向いた。
「絶対に嫌!(先輩より更に大きい秋乃に日焼け止めなんて絶対に塗りたくないわ。せっかく海に来たのに絶望で打ちひしがれそうになるから…)」
これ俺が塗らなきゃダメなの…? 俺は秋乃に手渡された日焼け止めを呆然と見つめた。
「さ、兼続早く!」「兼続君、お願い」
2人は俺に日焼け止めを塗られる気満々のようだ。先輩と秋乃からは期待を込めた目で、千夏からはジト目で見られる。俺はため息を吐くと覚悟を決める事にした。
どうかめんどくさい人にこの光景を見られてませんように…。俺は瞑想して心を無心の状態にすると日焼け止めの蓋を開けてクリームを手に出す。決してやましい気持ちになってはいけない。俺は頼まれたから仕方なく塗るだけであって下心は無い。
「日焼けの跡が残らないように隅々までお願いね♪」
俺は手に出したクリームをまずは先輩の背中に塗っていく。
「ひゃん////」
日焼け止めのクリームが冷たかったのか、先輩が艶めかしい声を上げるが俺は心を無心にしてクリームを塗り続けた。無心無心無心無心無心。
先輩の傷一つ無い綺麗な背中に無心でクリームを広げる。スベスベしていて非常に触り心地が良い。
「ちょ//// 兼続、冷たいからもっとゆっくり/// ひゃ//// そこくすぐったいわ////」
先輩が声を荒げているようだが俺は無視してクリームを塗り続けた。俺に塗って欲しいと頼んだのは先輩なのだ。文句は言わせない。
「あ// あっ/// あああ/////」
先輩のお望み通り背中の隅々までそれはもう念入りに塗っていく。日焼け止めを背中に塗り終わると先輩は何故か身体をビクビクさせていた。そんなに冷たいのが苦手だったのだろうか?
「先輩、終わりましたよ」
「あ、ありがとう兼続///(むうぅ~/// どうしてそんなに平然とした顔をしているのよ? あたしの背中に日焼け止め塗れたんだかららもっと喜びなさいよ/// また失敗だわ…)」
「さて、次は秋乃だったな」
俺が秋乃の方を見ると彼女はビクリと肩を震わせた。
「お、お手柔らかにお願いします…(兼続君いつもと少し雰囲気が違う気が…。私も先輩のようにされちゃうの…? でもそれはそれでいいかも…ちょっとSな兼続君もカッコいい///)」
先輩と同じように手にしこたま日焼け止めクリームを出すと彼女の背中に塗っていく。
「ひゃ////」
秋乃も冷たいクリームをいきなり背中に出されたからかちょっと色っぽい声を上げた。先輩の肌とはちょっとちがうムチムチとした感触が俺の手のひらに広がる。しかし俺は心を無にして彼女の背中に日焼け止めを塗り続けた。俺に日焼け止めを塗って欲しいと頼んだのはほかならぬ秋乃自身なのだ。
「ああ/// あああ/// ああああ///」
何やら変な声が聞こえたような気がしたが、俺は明鏡止水の心で彼女の背中に日焼け止めを塗り続ける。
「ふぅ…こんなもんだろ」
「あ、ありがとう兼続君…(でもこれはこれでいいね/// 癖になりそう///)」
秋乃の顔が少し赤くなっている様だがどうしたのだろうか? 暑いからからかな? 今日も猛暑日らしく気温は36度だ。秋乃はこの前熱中症で鼻血出して倒れてたから気を付けてやらないとな。俺はクーラーボックスからスポーツドリンクを取り出すと秋乃に手渡す。
「ほらよ。熱中症にならないように気を付けな。水分補給を忘れずに」
「ありがとう…(あれ? いつもの雰囲気に戻った。さっきのちょっとSな雰囲気とは違って今度は優しい…。そのギャップ凄くいいかも…キュン////)」
秋乃はそのままボーっとした様子でスポドリの蓋を開け、コクリコクリと中のジュースを飲む。うーん、秋乃の顔がまだ赤いな。彼女はしばらく日陰で休ませた方が良いのかもしれない。
しかし秋乃はボーっとしていたからか重要な事を忘れていた。それは彼女の水着の背中のブラ紐を結ぶのを忘れていたのである。
その時ふと夏風が吹き、俺達を生暖かい夏の息吹で包み込んだ。当然だが秋乃の紐が結ばれていないブラは風でフワリと浮き上がり、その下の――。
「あっ//////////」
さすがに秋乃も気が付いたのか急いで浮き上がろうとするブラを手で止める。だが少し遅かったようで俺にはしっかりと見えてしまった。彼女の胸の所謂「下乳」と言われる部分を…。それより上は見えなかったが…感想としては「デカくて柔らかそう」と言わざる得なかった。
俺もそれに動揺してしまい、赤い顔になりながら秋乃に自分が羽織っていた上着を急いで被せる。
「何やってんだ/// ちゃんと紐結べよ////」
秋乃は顔を真っ赤に染めながら俺の渡した上着で胸の部分を隠し、涙目になっていた。
「か、兼続君…。わ、私の胸見た?/////」
「み、見えてないよ///」
俺は顔を横に背けながら答える。半分嘘である、南半球は見えた。しかしそれ以上は見えていないので完全に嘘ではない。
「う、うわ~ん//// その顔は見たんだぁ///// もうお嫁にいけない…。そ、そうだ! せ、責任! 責任取ってよね!/////」
「えっ、責任!?」
「女の子の胸見たんだから兼続君は責任取ってその…わ、私とつ、つき…」
うーん、確かに女の子の胸を見ておいて何もしないのも俺の主義に反する。前に千夏の胸を見た時はちゃんとお詫びしたわけだし…。やっぱり罪は償わないとダメだよな。
「分かった。責任はとるよ」
「えっ?/// 本当に?////(えっ? それって私と付き合ってくれるって言う事? ヤダ/// 嬉しい//// 15年にも及ぶ思いが今日やっと成就するんだぁ//// 胸見られてよかったぁ////)」
俺は秋乃の肩に手を乗せると真剣な顔で彼女を見つめる。
「俺が責任をもって秋乃に彼氏が出来るようにする! だから安心してくれ! 嫁にちゃんと行けるようにするから。だから許してくれ! お願いします!」
しかし、俺のその言葉を聞いた秋乃の表情はそれまでとは打って変わってしょんぼりとした顔になっていた。
「あ、うん…(まぁ…そんなことだろうと思ったけどね…)」
とりあえず秋乃が落ち着いた様で良かった。ったく…紐はしっかり結んどけよな。
やれやれなんとかトラブルが去ったと思ったのもつかの間、横を向くと今度は先輩がハムスターのように頬を膨らませてこちらを見ていた。どうやら怒っているようだ。一体どうしたんだ?
「せ、先輩? どうしたんですか?」
「別に~(兼続ったら秋乃の胸見て真っ赤に顔染めちゃって…。あたしに日焼け止め塗った時は何ともないような顔してたのに…なんだか腹立つわね。もしかして兼続って秋乃みたいなかなりの巨乳の娘じゃないと反応しないのかしら? あたしもそこそこ大きいとは思うんだけど…)」
先輩は口を尖らせながらそう言いつつ、何やら自分の胸を両手で鷲掴みしてモミモミする。えぇ…何やってんのこの人…。
俺はワケが分からず千夏に助けを求めた。
「ち、千夏」
「あはは…。どうせみんな巨乳が好きよね…。貧乳なんて見向きもしなわよね…。世の中は巨乳に支配されるのよ…」
千夏は遠い目をしながらなにやらショックを受けたような顔をしていた。もはや何が何だか分からない。どうしてこうなったんだ?
「…ただいま。何これ?」
そこに冬梨が焼きイカを頬張りながら拠点に帰還する。彼女も今の状況が分からず困惑している様だった。
誰か助けてくれ!
○○〇
せっかくの海回なので少しエッチな話多めでいきます。
次回の更新は7/22(土)です。
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