小さな期待

神は二物をなんとかって

僕には一つさえ与えられてないや

才能がないことが才能?

天才になんてなれる訳はないのに

でもどっかで期待してる

頭の中のシナリオが現実になること

本当はね、分かってる


あの日見た秋の夕暮れの

その先に、君がいるんならな

それだけでいいのに

それすら叶わないなんてな

そんなもんかな


十二月の冷たい風が頬を伝って

君の温かい手のひらを思い出す

最近見たハッピーエンドのドラマのせいだ

僕がこんなに惨めなのは

痛々しいぐらい他力本願で

それでいて理想ばっかり並べて

枯れて落ちる葉のように

いつかはきっとって

分かってんだけどな

分かりたくないよな


振り返る道すら無くして

明日さえ霧がかって見えなくても

多分生きてるよ、これからも

諦めきれない思い出の欠片のせいで

来るかも分からないいつかの為に

この小さな灯火が消えてしまうまで

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る