一縷

己の為の生ならば

容易く手放せたのでしょう

僻見が呼ぶ声の先に

見出す物はあるのでしょうか

陽炎が写したはずの未来は

何処へ行ったのでしょうか

あの時、深淵に見た一縷の光は

底知れぬ闇へと消えたのでしょう

さすれば、思いを馳せずとも

懐かしいあの日々へと、道を辿ることが

できるのでしょうか

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