3 『不審死』
「レオーネ。こっちは片づいた」
三階の窓からロメオが顔を覗かせ、レオーネを見おろした。
「ロメオ。お疲れ様。彼はごらんの通り気絶してる。あとはマノーラ騎士団に引き渡せば終わりだ」
「了解」
このあと、レオーネとロメオはマノーラの警察組織であるマノーラ騎士団に、ギャンググループの身柄を引き渡した。
密輸された植物の譲渡も済ませる。
「ありがとう。レオーネくん、ロメオくん。いつも助かるよ」
「いいえ。オリンピオさんもこんな時間までお疲れ様です」
オリンピオは、マノーラ騎士団の騎士団長である。
本名を
「遅くまでマノーラのために働いてくれていたのはキミたちもじゃないか。しかし、よく密輸を行うギャンググループの情報がわかったね。マノーラ騎士団でさえまるで知らなかったのに」
感心するオリンピオに、レオーネは爽やかな微笑で言った。
「我々『
「そうだね。はっはっは」
楽しそうにオリンピオが笑った。
ロメオがレオーネの肩に手を置いた。
「レオーネ。ワタシたちは行こう」
「そうだね」
「オリンピオさん。仕事も完了したので、我々はこれで。あとはよろしくお願いします」
「お先に失礼します。おやすみなさい」
「ああ。お疲れ様。キミたちならなんの心配もないが、夜道気をつけて」
レオーネとロメオはマノーラ騎士団と分かれた。
オリンピオの元へ、若いマノーラ騎士がやってきた。別の現場から駆けつけ、遅れて到着したのである。
「オリンピオさん。お疲れ様です」
「やあ、エルメーテくん」
「今回も、『
「そうだ」
「さすがですね。でも、『
「『
ごくりと唾を飲み込み、新人騎士エルメーテはうなった。
「死を、意味する……」
「大丈夫。レオーネくんとロメオくんたちは、いい人たちだよ。『
「はい。最近、チェレンカを育てる人も増えてきましたよね。チェレンカはマノーラの象徴なので、僕としてはチェレンカが街に増えて嬉しいです」
こうして、今日も『
だが、別の事件も始まっていた。
植物を運び出していたマノーラ騎士の一人が、突然バタリと倒れる。
「おい、どうした!」
仲間が駆け寄り、倒れた騎士の様子を見るが、もう息はなかった。騎士たちの間に、どよめきが起きる。
騎士団長オリンピオは、渋い顔の額にしわを寄せた。
「なんだ、これは……。明らかに、不審死だ」
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