全ての始まり 12

「子供たち、集まったかのう?」

「はい!」


「今日は何の日は分かるかのう?」

「まほうのくんれんのひだ!」

「お主たちは元気だのう」


 今は朝だ、村の子供たちはゲッペの家の前に集まっている。ゲッペはこの村の子供に好きで魔法を教えている。いつの間にか、村の子供たちにとって彼らの一つの日常生活になったのである。


「ゲッペおじいさん、あのかたにいるいきものはなんです?」


 クリスはそんな質問をゲッペに尋ねている。

 正直、俺は自分の姿を前に晒すのは気が引ける。俺の正体がばれたらどうしようと。だけど、俺をこうしてゲッペの肩に乗っているのはゲッペの考えた事だ。


 俺は昨日の俺とゲッペの会話を思い出す。

 俺はゲッペの家に魔力操作を訓練し終わった後、ゲッペは俺に話しかけた。


「お主、明日は村の子供たちの魔法の訓練でのう。お主は儂と一緒に、子供たちの訓練を見るのじゃ」

「えっ、俺は子供の前に晒すだと?」

「そうだのう、平気じゃ、彼らはお主の正体に気がつかないじゃろう」

「いや、それも心配だけど。子供が俺を見たら。。。」


 俺はそんな会話を思い出すた。


「えぇ?なんなのあれ?」

「可愛らしい、触りたい」


 子供たちは俺を余程珍しがっているようだ。そして、俺に触りたいようだ。


「シィィィーーーーーー!」

「あっ」

 

 ゲッペは俺に小さい声で話しかけた。


「おぬし、可愛いがわれるのじゃ」

「いやだよ、じぃじぃ!」


 俺たちは囁き合う。そんな中で、クリスは既に俺達の前に立って俺を真剣そうに見ている。


「クリス嬢ちゃん、こいつに触りたいか?」

「うむ」


 クリスは黙って黙って頷く。


 俺はクリスの方を見て、可愛いがられるように目をキラキラにする!


「!!!」


 どうだ!俺の可愛いさに耐えられるか?

 クリスは恐る恐る自分の手を俺の頭の上に置いた。俺は何もするつもりはない。クリスは俺はなでなでする。


「~~~~~~!」


 クリスはとても満足しているみたいだ。俺も満足だ!クリスになでなでされたよ。はぁはぁはぁはぁぁぁ、おっといけない本性を晒す所だった。


「お主。。。」

「?」

「いや、何でもないのう」


 クリスはもう満足しているのか、俺とゲッペから離れた。


「じゃ、魔法の訓練を始めるかのう」

「はい!」


 こうして、魔法の訓練は始まった。


「じゃあ、お主たちの集中力はどれほどのものか見てみるかのう。お主たちは風の魔法ウィンドどれぐらい長く使えるか勝負じゃ」


 子供たちは風の魔法ウィンドを唱える。


「かぜのせいれい、おれ(わたし)のねがいにこたえて。ウィンド」


 子供たちは魔法を発動した。


「お主、子供たちの様子を見てをくれ。彼らの魔力に集中するのじゃ」


 ゲッペはそう俺に囁いた。


「あっ!とぎれた」

「あっ、ぼくも」


 子供たちは頑張っている。彼らの集中力はまだ未軸だからか、彼らの魔法は長く続かない。彼らが訓練してる間に、一人だけが残った。


「おおお!クリスすごい」

「けんだけじゃないのね」


 クリスが残っているのだ。彼女はトランス状態に入っている。彼女は他の子供がもう訓練を終わって彼女を見ているの気がつかない。


「なぁ、じぃじぃ」

「む?」


 俺はゲッペに自分のやりたい事を伝えた。

 ゲッペはクリスに近づいた。

 

「クリス嬢ちゃん、それまでじゃ」


 ゲッペは俺をクリスの肩に置いた。


「?」


 クリスは自分の肩に感触を感じて、訓練を止める。そして、自分の肩に置いた俺を見た。


「~~~!」


 クリスは俺の身体を優しく自分の手に収めた。


「ちぃ!」

「!」


 クリスは可愛さにやられて、頬を染めた。


「ちぃ!」


 俺はゲッペの方向に手を向ける。クリスは俺の意思を感じ取って、俺をゲッペに返した。


「お主たち、今日はよくやったのう。自分の集中力を鍛えるように。もしもの時に、魔法を長い時に維持したいならのう」

「はい!」

「じゃあ、解散!」


 子供たちは解散した。


「ハム、お主、この訓練見て何か分かったのか?」

「集中力」

「うむ、それじゃ。お主は今はそれに限る」

「分かってる、じぃじぃ」


 これで、一日は村の子供たちの魔法訓練で終わった。

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