「吾郎〜はやくはやく。抱きしめたいだからはやくー」
別の日の放課後。いつも通り夕飯まで俺の家で遊ぶことになった。
「真冬何して遊ぶ?」
「んーテレビで過ごしたいかな何かある?」
「何かね……」
テレビをつけて録画リストから色々と探すと、多分真冬が好きそうなバトルの映画があった。
「おっ真冬。バトルの映画あったけど見るか?」
「見る!」
再生を押し、まだCMが流れていた。
「なんか飲み物飲むか?」
「オレンジジュース」
「あいよ」
俺は一階の方に降り自分の分と真冬の分を2つ用意し、再び自分の部屋に向かった。
「ほいオレンジ。置いとくな」
「ありがとう〜」
テーブルの上にコップを置き画面を見ると本編が始まった。
「吾郎〜はやくはやく。抱きしめたいだからはやくー」
真冬が自分の膝を叩いて俺を呼んできた。
「……おぉ」
俺は真冬の方に近づき。彼女が指定している足の間に座り込んだ。
「ぎゅー」
そして真冬が思いっきりしがみつき。背中に胸が当たっていた。
「……」
意識してしまう。
「真冬は好きだな抱きつくの」
「だって怖いのとか出ても吾郎に抱きついたら安心出来るから抱きつきたいし吾郎のこと好きー」
「……んんっ」
凄く嬉しんだよな……。
「俺も真冬のこと好きだよ」
「えへへ……吾郎〜あったかい」
めちゃくちゃ抱きしめられながら映画を観たら夕飯の時間になっていた。
「面白かったー!」
「なぁ……」
ラストのヒーローがカッコよかった。最後のヒロインと抱きしめるのもめちゃくちゃ好きだった。
「……ねぇ吾郎。さっきの映画みたいに抱きしめて」
「えっ、うんいいよ」
真冬に抱きつこうとしたら、真冬が俺の頭をそっと撫でながら自分の胸の方に押し当ててきた。
「あったか……」
耳を澄ませば真冬の心音が鳴っていて安心と体温であったかった。
「えへへ……」
少しの間。俺は真冬の胸の中でしがみついていた。
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