第16話





「......このダンジョンのモンスターになること自体は受け入れてもいいと思っている。いつまでもあそこに止まっているわけにもいかないからな」


 俺の提案に少し考えていたリエラは、そう答えてくれた。

 

「では...?」


「ああ、このダンジョンのモンスターになろう。だが、その前にいくつか聞かせてくれ」


 ふむ?聞きたいことか...なんでも答えると言うわけにもいかないが、とりあえず聞いてみるか。


「なんでもとは言えないが、答えられることには答えよう」


「ありがとう。では早速質問させてもらおう」


 彼女はそう言って、座っていた体勢から立ち上がりこちらを向いた。


「セイヤは人間をどうしようと思っている?」


「それはどう言う意味でだ?根絶やしにしたいとか、隷属させたいとかそういう意味でか?」


「ああ」


 なるほど。まあ確かに、他のダンジョンマスターの中には、それこそ吸血鬼型なら血のためにとか他にも人間牧場みたいな事をやっているダンジョンマスターもいるだろうからな。リエラは今でこそリビングアーマーだが、人の心を失ったわけでは無いからそう言った質問をしてくるのも無理はないか。


「そのことなら安心していい。このダンジョンに入ってきた人間は殺すだろうし、実践経験を積むために盗賊団や犯罪組織を襲撃したりする事はあるだろうが、故意にスタンピードを起こしたりする気はないし、自身の支配領域に町を作ったりはするかもしれないが隷属させる気はない」


 実際、スタンピード起こしたらリンに怒られるかもしれないし、領域内に町を作って定期的にDPを手に入れようとはしても隷属させたりする気はないから問題ない。


「それならいいんだ」


「他に聞きたい事はないのか?」


「無い」


 ふむ、それなら今からダンジョンモンスター化を始めるか。


「なら、今からダンジョンモンスター化を始めるが構わないな?」


「ああ、いつでも始めてくれ」


 それじゃあ、ダンジョンコアから手に入れた知識を引き出してと。

 ふむふむ?ダンジョンモンスター化をする際は、対象と問答をして相手が承諾したら成功。その時、DPが消費されるが相手の強さによって消費されるDPの量が変わるらしい。

 まあ、俺には関係のない話か。


「それじゃあ始める」


 俺がそう宣言すると、リエラは真剣味を帯びた雰囲気を纏った。


「汝、リエラ・ルーウェルは。我、ダンジョンマスターセイヤに従い、このダンジョンのモンスターとなることを承諾するか?」


 俺は、DPをリエラに流し込むように操作しながらそう尋ねた。

 そして対するリエラも...


「我、リエラ・ルーウェルはダンジョンマスターセイヤに従い、このダンジョンのモンスターとなることを承諾する」


 そう宣言した。


 次の瞬間、かなりの量のDPが消費される感覚があると同時に、俺はダンジョンを通してリエラとの間に何かしらのつながりができたことを感じた。

 それはリエラも同じようで、興奮したようにこちらを見ていた。


 また、これまでリエラを閉じ込めるように展開し続けていた魔法陣も、彼女がダンジョンモンスターになると同時に跡形もなく消え去った。


「さて、これで正式にお前は我ダンジョンのモンスターになったわけだ。これからよろしく頼むぞリエラ」


「こちらこそよろしく頼む、マスター」


 こうして、このダンジョン初のモンスターとしてリエラが加わった。


「セイヤ様、私のことを忘れてはいませんか?」


 おっと、リエラがダンジョンモンスターになってくれたことに感動してミアのことを忘れていた。リエラにも紹介しないとだしな。


「い、いや?忘れてなんか無いぞ?リエラ、こいつはミアで俺の補佐をしてもらっている。仲良くしてくれ」


 俺は顔を逸らしながらそう言った。


「そうか、私はリエラ・ルーウェル。マスターのダンジョンモンスターだよろしく頼む」


「はい、リエラさん。私はミアと申します。セイヤ様の補佐です。今後ともお願いしますね?」


 んー?少し不穏な空気が漂ってはいるがまあ、大丈夫だろう。


「それじゃあミア、俺は召喚を続けるからリエラにダンジョンのことや、方針を小屋の中で教えておいてくれ」


 俺はミアにそう言い、自分の立っている場所の少し後ろに、小さな小屋をDPで出した。中には机やソファなどを置いてあるから問題ないだろう。


「かしこまりました。それではリエラさん、こちらに来てください。お教えいたしますので」


「わかった。それではマスター、失礼致します。ミア殿、何も知らぬ身ではあるが、教えてくれると助かる」


「フフフ」


「ハハハ」


 うん、やっぱりなんか怖い。何でこうなった?








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 さて、ミアとリエラが怖かったが一先ず召喚を続けよう。

 次に召喚するのは精霊だ。やっぱり、環境はいい方がいいからね。


「それじゃあ、手っ取り早く火・水・風・土の下位精霊数体と上位精霊を一体ずつ召喚っと」


 そうして出てきたのは赤・青・緑・黄の色に分かれた精霊達だった。


 赤が火の精霊で、下位精霊はトカゲの姿をしていてサラマンダー呼ばれている。

 上位精霊はイフリートと言い、人型をしているのだが、男性の姿で出てくると思った俺の予想に反して紅蓮の髪に炎の服を纏った美女の姿をしていて驚いた。あと、巨乳だった。


 次に青、水の精霊。下位精霊はウンディーネと言って、少女の姿をしていたり、魚の姿をしていたりで予想通り。

 上位精霊はルサールカと言い、イフリートと違って予想通りの姿で青の髪に水の服を纏った妙齢の美女だった。胸はイフリート同じくらい。


 次は緑、風の精霊。下位精霊はシルフと言って、ウンディーネと同じように少女の姿をしていた。

 上位精霊はエアリアルと言い、薄いシルクのような布を纏っていて、シルフを何歳か成長させた美少女の姿をしていた。胸は小さくも大きくも無いちょうどいいサイズ。


 最後は黄、土の精霊。下位精霊はノームと言って、俺の予想では小さなおじさんを予想していたが、その通りの姿もあればモグラのような外見だったり幼女の姿をしていたりで、一番個性的と言えた。

 上位精霊はベヒモスと言い、俺としては陸の怪獣を思い浮かべるがそれとは別物らしく、土が局部をを隠すビキニのように体についていて、土色の髪をした美女だった。あと、上位精霊の中で一番の巨乳だった。(ここ大事)

 

 うん、上手く呼べたみたいだな。

 本当なら他にも精霊を呼ぶのだが、まずは彼女等四大精霊にとって居心地のいいダンジョンにしなければ他の精霊も居心地良く無いだろうから彼女等にダンジョンに関する助言をもらうのが先決だ。

 

 そこまで考えて、俺は何も言わずにこちらを見続けている精霊達に向き直った。





_________________________________________



やっぱ、美人さん多い方が燃えますよね。

(´・ω・`)




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