第10話
「ふわぁ」
翌日、ビジネスホテルの部屋を模した部屋で朝を迎えた俺は、ベットの上で伸びをした後支度を整えて部屋から出た。
「おはようございます」
「おう、おはよう。よく寝れたか?」
部屋を出ると、ちょうどミアと会った。どうやら起こしに来たみたいだ。
「はい、ベットも柔らかくて寝やすかったです」
「あー、こっちの世界だとそこら辺あんまり発展してなさそうだからなぁ」
「その通りなんです!ですからセイヤ様の記憶にある娯楽用品やペットなどの家具、そして美味しい料理など気になるものが沢山あるんです!」
「わかったわかった。ダンジョンが完成して落ち着いたら全部出すよ」
朝早いのに目を輝かせて迫って来たミアをいなし、最初にダンジョンコアが浮かんでいた部屋に向かった。
「あ、セイヤ様。昨日寝る前に考えたことがあるので聞いてくれますか?」
なんだろ?ダンジョン関連だろうから聞いておくか。
「いいよ。なんだ?」
「昨日セイヤ様が作ったダンジョンの上層部を後から見たんですが、少しモンスターの種類が足りないなと思ったんです。あと、ダンジョンは侵入者がより入ってくるように誘き寄せる餌を用意しますが、その餌が宝箱やモンスターを倒した時に得られる魔石などだけだと足りないかと」
うーん、餌はともかくモンスターの種類が足りない?でも、多く入れる予定だった亜人系はゴブリンを始め、オーク、コボルト、オーガ、ミノタウロス、トロールなど一通り入れたし、他にも上の階層の方に狼や蝙蝠とかを入れたし、それとは別に階層の一部を変更して限定的な範囲でリザードマンやワイバーンなんかも入れてるんだけどな。
あ、ちなみに侵入者に対する餌は色々で、宝箱と倒したモンスターの死体が餌と言える。この世界のダンジョンはモンスターを倒すとドロップアイテムになるんじゃなくて、死体が残るからそれを解体して魔石や素材を得る感じだな。
「具体的には何が足りないと思うんだ?餌はともかく、モンスターの方は俺的に、色々入れたつもりなんだけど」
俺はそうミアに尋ねた。
「確かにモンスターの種類は豊富ですが、それはあくまで種族単位の話です。私が言いたいのは、上位種や変異種をもっと増やしてはどうかと言うことです」
ああなるほどね、確かにゴブリンなんかは上位種多いからなぁ。ウォーリアーやマジシャン、シーフにナイト、上の方だとジェネラルやキング、エンペラーなんかもいる。これは他のオークやオーガでも同じ事だから確かに種類が少ないか。
「ミアの言いたいことはわかった。ダンジョン操作権限を一部渡すから、それを使って種類を増やしてくれ。でも、バランスを崩すようなことはしないでくれよ?」
「はい、ありがとうございます。餌の方はどうしますか?」
「それに関しては宝箱を多過ぎない程度に増やすのと、時間経過でランダムに変わる隠し部屋を作ってその中に宝を入れておくよ。あとは、何ヶ所かに小規模な金属の鉱脈を作っておけば餌としては十分だろ」
宝箱と隠し部屋はそのままの意味で、小規模な鉱脈は上の方は鉄や鉛、鈴なんかの安価な金属、下に行くにつれ金や銀などの高価な金属やミスリルなどのファンタジーに出てくる魔法金属などを出すつもりだ。ダンジョンの施設に鉱脈があってよかったよ。
「それなら餌としても十分ですね。あと、これは些細なことなですが、流石に昨日作ったダンジョン全てを上層部と呼ぶのは他のダンジョンを考えても無理があります。ですので、上層と中層部と言う認識にしておいて下さい」
「ん?そうなのか?まあ、今日これから作ろうとしている昨日の続きは、階層の数こそ少ないが、難易度が跳ね上がるモノを作る予定だったしそれで良いか。ところでミア、俺達まだ朝ごはん食べてないけどお腹減ってないの?」
ぐぅぅぅ〜
そういえばまだ朝食を食べてないことを思い出した俺がミアに聞くと、タイミング良くミアのお腹がなった。
「ふひゃぁ!」
するとミアは、辺な声を出して顔を真っ赤にしながらお腹に手を置いた。
「ハハ。お腹が減ってるみたいだし、すぐに出すから待ってくれ」
俺は苦笑しながらそう言うと、DPを消費しトーストにベーコンエッグ、フルーツと牛乳を机の上に出した。おっとマーガリンを忘れてはいけない。
「とりあえず朝はこんなものだろ」
「美味しそうですね」
ミアは顔を赤くしていたことを棚に上げて、机の上に出現した朝食に目を輝かせると、そそくさと椅子に座って俺に目で「早く食べましょう」と言ってきた。
「はいはい、今座るからそんなに慌てるな」
ミアに急かされた俺は、急いで椅子に座り。机に出したコップに牛乳を入れて、ミアと互いに顔を合わせて「いただきます」と言って朝食を食べ始めた。
今日もダンジョン作り頑張ろうか。
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皆さんトーストにはバターとマーガリンどっちを塗りますか?作者はマーガリンですね。あとジャム。
それと、バターとマーガリンってタケノコとキノコみたいに戦争してるんですかね?
(´・ω・`)
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