第9話

 コヤンイ・・・・!


 異世界に戻って、俺は急いで、コヤンイのところに向かった。


「コヤンイ、君は俺の従妹だろう?」


「急に、どうしたのですか?」


「人間世界に戻ったんだ」


「戻ったって、どうやってなのですか?」


「そこで、真実を思い出したんだ。

コヤンイが従妹であること、俺の本当の名前が、コヤンイであることを・・・・」


「あたしが、彼を元の世界に送りこんだのです」


 近くには、シェーモと、三毛猫ボール、アズキがいる。


「そうなのですか・・・。

残酷な真実を思い出してしまったのですね。


そしたら、仕方がないのです。

うちは、ガットのことが好きだったのです。

好きで、好きで、しょうがなかたのです。


人間世界にいられなくても、大好きで、愛していたのです。


うちが、コヤンイという名前なのは、君に対する愛の証明なのです」


 俺の異世界ネームは、ガット。

 だけど、本名じゃない。

 なぜ、彼女が「コヤンイ」という俺の本名を名乗っているのか、彼女の本心をここで突き止めて・・・。


「俺が好きなことは、痛いくらいわかった。

わかったんだけど、本当に恋愛感情として好きなのか・・・?」


「そうなのです!

だから、記憶を完全ではないけど、操作したんじゃないのですか?


好きって気持ちだけでは、一緒にいられないのです。

だけど、君がうちの大好きなコヤンイでいられなくなることは、うちにとっては悲しいのです。


だから、うちがコヤンイになったのです。

君がガットなんで名乗っているけど、本当のガットは、うちなのです。


騙していて、ごめんなさいなのです」


 偽のコヤンイであり、本物のガットである彼女は、泣いていた。

 泣いていたから、俺は抱きしめていた。


「好きだ・・・・!」


「気づいてあげられなくて、ごめんな。


だけど、こんなことをしなくても、好きでいてあげられる。


だから、一緒にいよう」



「本当なのですか?」


「ああ、本当だ・・・・」


 俺が、緑髪でいる理由。

 それは、僕が異世界人とのハーフだから。

 

 人間世界では黒髪、異世界では緑髪となる。


「結婚もしよう」


「本当なのですか?

嬉しいのです」


 

「そしたらさ、子供とかもほしいよな?」


「はい、ほしいのです」


「何人、欲しいんだ?」


「君との子供なら、何人でもなのです」


「一人目の子供には、コヤンイって名前にして、二人目の子供には、ガットで名前にしようか?」


「賛成なのです」


 こうして、俺たちは結婚することになった。

 

 一人目の子供には、コヤンイと名前をつけた。

 そして、二人目の子供には、ガットという名前にした。


 そして、三人目が今、妻のお腹にいる。

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異世界最強にゃんこ 野うさぎ @kadoyomihon

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