第6話

 だけど、この夢は、夢ではないんじゃないかと思うくらい、現実で体験したことがあるような気がしてきた。

 いじめ殺し。

 この言葉を知っているような気がした。


 ここで、俺は目覚めた。


「夢だよな・・・?」


 これは、ただの夢だと自分に言い聞かせるけど、それは無理やりだった。

 

 アズキは、僕の腕の中ですやすやと、気持ちよさそうに寝ていた。

 猫も、夢を見るんだろうか?


 この世界に来た経緯さえ思い出せればいいのだけども、思い出しちゃいけない気もしてくる。


 ここで、大量の殺人事件の映像が頭の中で、映像としてでてきた。


「うっ・・・・!」


 僕は、自分の頭をおさえた。


「お前に、生きる権利はない。

今すぐ、ここで消えろ」


 この言葉が、蘇ってきた。


 何、これ?

 聞いたことがある言葉だけど、恐ろしい言葉だ。

 何で、俺、こんなことを言われているんだ?


 思い出したいけど、思い出しちゃいけない気がする。

 

「あははっははっはは」


 俺は、狂ったように笑い出した。

 

 何で、笑っているかなんて説明できない。

 そうか、元いた世界では、俺の同級生とか、先輩とか死んでんだ・・・・。

 殺されたんだ・・・・。


 俺は生き残ったけど、何で、そのことを忘れていたんだろう?

 忘れていたというか、自分の中で、記憶を消していたんだ。


 この異世界にいる限り、俺はこんな現実と向き合わなくていい。

 つまり、元いた世界に帰っちゃいけないということだ。

 

「最悪なのです」

 声がした方を見ると、ピンクのスカーフを三角結びに巻いて、赤のセーラー服を着たセミロングの緑髪の女の子がいた。


 緑色のスカーフをスカーフ留めで固定して、茶色のセーラー服を着た紫髪ボブヘアーの女の子と、黒い学ランを着た青髪が背中まで長い男の子がいた。

 そして、ピンクのショートヘアーで、赤いリボンに、ピンクのセーラー服の女の子もいた。

 


「君は・・・?」


「あたしは、佐倉さくらさくらと申しますのですわ。

桜魔法第一学校に通っていますのです。

中学1年生で、B組の炎属性なのですわよ」

 と、緑髪の女の子。


「あたくしは、サクラ・エリザベスですわ。

桜魔法学校に通っていますわ。

同じく1年生で、クラスはA組ですのよ」

 と、ピンクの髪の女の子。


「おいらは、さくらですぞ。

桜魔法第二中学校に通っていますぞ。

属性は水で、1年C組ですぞ」

 と、青髪の男の子。


「あたいは、さくら咲良さくらでござる。

桜魔法第三中学校に通っているでござるよ。

1年D組で、木属性でござる」

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