第3話
「黒幕は、チューリップ様ですよ」
そこで、カナシスタが、水から抜け出した。
「いつまでも、溺れているわけにはいかないんですよ、小僧」
そして、フトシスタ、ミッドシスタも、水の川から這い上がってきた。
「ワイらの属性をわかってへんでえ」
「あたくしたちの属性は、カナシスタが水で、
フトシスタがが炎ですが、あたくしは草ですのよ」
やばい、これは不利だ・・・。
フトシスタには勝てるかもしれないけど、ミッドシスタやカナシスタとなると、勝算はない。
「次は、わいらの番やでえ、倍返しや」
やばい、負ける・・・。
三人が襲い掛かる、その瞬間、アズキが三人に猫パンチをした。
三人は、地面に倒れこんだ。
「なんやねん、この猫・・・」
「めちゃくちゃ、強すぎますわ」
「しゃー」
アズキが、三人に威嚇すると、長いし尻尾を振り回し、その風で三人は空高く飛んで行った。
嘘・・・、アズキってこんなに強かったけ?
この後、アズキは何事もなかったかのように、喉を鳴らした。
「これは、これは三毛猫の加護を受けた猫ですにゃ」
声のした方を見ると、銀髪の猫の耳を持った少女が現れた。
姿は人間だけど、頭にある白い猫耳を見ると、人間じゃないかもしれない・・・。
「君は・・・?」
「あたちは、ニャンコですにゃ」
「ニャンコ?」
「それが、名前ですにゃ」
「そうか・・・」
そんな、名前の人なんているんだ・・・。
ここは、異世界だから、なんでもありなのかもしれない。
「あたちは、三毛猫の女神と人間のハーフですにゃ。
つまり、女神と人間のハーフで、女神の娘ということですにゃ」
よく見ると、銀髪の髪にところどころ、黒い髪と、茶色の髪が、混ざっていた。
ここからでも、やはり、このニャンコっていう少女が、人間ではないことが確実な証拠ともなるだろう・・・。
「それより、このアズキっていう猫が、三毛猫の加護を受けているというのは、どういうことなんですか?」
「どういうことなにゃんでしょうか?
女神さまは、気まぐれにゃので・・・。
確実なのは、他の三毛猫にはない力をお持ちということは、間違いなく加護を受けていているせいですにゃ」
「たしかに、猫が大人の男を倒すなんて、常識じゃ考えられないしな」
「まず、この世界で常識に当てはめて考える時点で、おかしいのではにゃいですか?」
それは、一理あるな・・・。
目の前にある君の存在が、常識に当てはめて考えることができないことを物語っている。
「この加護は、大丈夫なんだろうか?」
「大丈夫とは、何ですかにゃ?」
「日常に支障がこないかということだ」
「それは・・・・」
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