1月11日 豚と野菜のあいもり漬けカツ丼
ぽかんと間の抜けたような青空。
何故だか私は、眠くて仕方ない。
だからどこへも行かず惰眠を貪っていた。無為である。
流石に買い物には行かなくてはなぁ、と思っていたら、夫から飲み会の知らせ。今日は何も思い浮かばなかったのでありがたい。「出前でも良いからちゃんと食べなさい」と釘を刺された。
昨夜、『串カツ田中』の話を某所でしていたため、そんな気分になってしまい、デリバリーで「 豚と野菜のあいもり漬けカツ丼」を頼んだ。
通常、『串カツ田中』のテイクアウト・デリバリーメニューには漬けカツも丼物も入っていない。しかし『なにわの宗助 』と看板を変えてデリバリー店を出しており、そちらで漬けカツをメインに売っているのだ。別に『串カツ田中』のままでも良かった気はするが、どうもコロナ禍で店内に客を入れられなかったりした時期にこのスタイルを始めたようである。
揚げ物というのは、揚げたてこそが美味しいもの。しかしテイクアウトやデリバリーではどうしても、揚げたての食感を保つことはできない。そのため、タレに漬けるという発想になったのだろう。(『串カツ田中』名義では串カツ弁当などもあるのだが)
漬けカツ丼の見た目はなんとも潔く、タレのかかったカツがぎゅうぎゅうに盛られて米が見えないほどであり、彩りと口直しに、ひらりと薄切りの甘酢生姜が添えてあるのみ。初めて見たときには笑いが出てしまったものである。最もスタンダードなメニューは薄切りの豚ロースカツが四枚とタマネギカツが米の上いっぱいに並んだものなのだが、流石に野菜も欲しかったので、豚と野菜の「あいもり」にした。
タレカツ丼といえばしかし、新潟のものが有名である。この甘辛い醤油ダレの染みたカツも実に美味しいのだが、『なにわの宗助 』はその名の通り、新潟系のタレカツではない。『串カツ田中』の極細目の薄衣なのは勿論、さらりとしたウスターソースをサバ節の出汁で伸ばしたというタレが特徴的である。それぞれの旨味を感じつつもウスターソースの酸味がさっぱりとさせる、不思議なタレである。そのため、ソースカツ丼とタレカツ丼の間のような感じもある。
迅速に届けてもらった「 豚と野菜のあいもり漬けカツ丼」。やはり米の白はほとんど見えない。たっぷりの茶色がむしろ嬉しい。米に刻み海苔を散らした上に、豚ロースカツが三枚、それを更に覆うように、ピーマン、ナス、レンコン、椎茸、そしてタマネギのカツが盛られている。ダメ元でタマネギは抜いてほしい、と通信欄に書いてみたが無理だったようである。夫がいれば代わりに食べてもらうのだが。
熱々のうちに食べたいのは、ナス。衣に包まれたナスは絶妙にとろりとして、タレの旨味との相乗効果が高い。元は串カツ用なので、縦に長い形に切られているのも、食感のバランスが良い。パリッとしたピーマン、ジューシーな椎茸、ほっくりとしたレンコンも勿論美味しい。丼として米と最も合うのはやはり、豚である。あくまでソースがベースなので、別添のマスタードも良いアクセントになり、甘酢生姜を間に摘みながら最後まで飽きずに食べられる。
久しぶりに食べたのだが、よく考えられた業態だと、改めて感心した。しかし最初期に頼んだときには無かったはずのタマネギカツが、全メニューに入るようになっていたのは個人的に残念である。コストの問題なのだろう。
大変美味しく食べたものの、流石にちょっと胃に重かったようである。のんびりお茶でも飲もうか。
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