1月6日 麻婆春雨

 なんとも言えぬはっきりとしない天気。


 今夜はまた夫が不在なので、昼のうちに残っていたミールキットを使って、麻婆春雨を作った。

 春雨を茹でておく、それだけの手間が面倒だったりする。その為、麻婆豆腐を作ることはあっても、麻婆春雨を作ったことはなかった。あまり他に春雨を使うことも無かったし。

 などと思いながら食卓に出すと、実は夫が麻婆春雨を好きなことがわかった。初耳である。甜麺醤と豆板醤の風味が春雨にもしっかり染みて美味しいが、ミニトマトは余計だったように思う。そのせいか、個人的にはやはり麻婆豆腐の方が好きなのだが、これからは麻婆春雨も作るかもしれない。知ってしまったので。


 一人の間、積んでいたゲームを始めた。『The Stanley Parable: Ultra Deluxe』という、アドヴェンチャーゲームである。オフィスで労働する主人公スタンリーが、ふと気づくと職場に一人で取り残されていて、人気の無い中をとりあえずさまよってみる、というのがあらすじではあるが、これはただの探索ゲームではない。スタンリーの頭上からは常に“ナレーション”が降ってきており、基本的には、次の行く先を案内してくれる。プレイヤーはそれに従っても良いし、従わなくても良い。従わない場合には皮肉や嫌味を言われ、罵倒されたり大袈裟に嘆かれたりもする。ゲーム中には実に様々な分岐点があり、時々は一緒に盛り上がってくれたり、混乱したりもする。感情豊かなナレーターが口うるさくも愛おしい。いったいいくつのエンディングがあるのやら。

 これは2013年に発売された『The Stanley Parable』のリマスター版で、私は旧作の方をゲーム実況を見て知っていた。リマスター版は追加要素もあるというし、何より自分で遊んでみたいと思っていたので、セールに乗じて買ってみたのだった。とても楽しんでいる。

 が、私の三半規管は私が思うよりずっと弱かったらしい。この作品はいわゆるFPS、一人称視点であり、カメラもぐるんぐるん回せるもので、一つエンディングに辿り着く頃には完全に画面酔いしてしまった。FPSゲームに慣れてないとはいえ、戦闘もしないのにこんなに酔うとは思わなかった。でもゲームとして面白いので、休憩を挟みながら周回している。そんなわけで、夕飯は軽くスープとなった。ナレーターの演説を聞きながら。


 うーん、思いの外ダメージが来ている。早めに休もうと思う。頑張ってくれ三半規管。

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