10月26日 秋鮭のバターソテーと、シーフードチャウダー
今日もまた、寝ても寝ても眠い。眠りが浅いのかもしれない。わけのわからない夢を細切れに見ている。映画のフィルムがぷつりと切れるように、わけのわからないところで途切れる。空白があって、また別の夢が始まる。その少しずつの印象しか、私は覚えていない。
今日は卵の安い日なので、買い物に行かなければならない。だから昨日は何も買わずに帰ったのだが、今日作るものも決めていない。
スーパーのウェブチラシを見比べながら、そういえば今年はまだ秋鮭を食べておらず、そろそろ使いたいのだったと思い出す。レシピのストックも眺めて、今日のメインは「秋鮭のバターソテー」にすることにした。『dancyu』に紹介されていたレシピである。
付け合わせのマッシュポテトから作り始める。今日は甘みの強いキタアカリを使って。マッシャーは潰しやすく洗いやすい、無印良品のものを愛用している。潰した芋にバター、粒マスタード、塩を加えて混ぜ、さらに牛乳を加えてなめらかにする。
秋鮭は塩を振っておいて、オリーブオイルで皮目からじっくりと焼く。裏返したらバターを加え、それでアロゼ(温かい油を身にかけながら火を通すこと)しながらまた焼いていく。
皿にマッシュポテトを広げ、その上にそっと鮭を乗せてフライパンのバターソースをかける。鮭の身の上へ更にバターを乗せて胡椒を振り、こんもりとディルを乗せて出来上がりである。
副菜はコウケンテツ氏のレシピで「シーフードチャウダー」にした。温かいスープが美味しい季節である。
クラムチャウダーを冷凍のシーフードミックスで作ろう、というものなのでその点が非常に楽である。タマネギはレシピよりも小さく粗みじんに、予めレンジにかけて気配を極力消しておくところは私のオリジナル。それをバターで炒めてすりおろしのニンニクを絡め、軽く水で洗ったシーフードミックス、角切りのジャガイモを順に加える。ベシャメルソースを作る代わりにここで小麦粉を具に絡めておき、酒で臭みを取りながら旨味を引き出す。アルコールが飛んだら水を加えて少し煮て、牛乳で伸ばしたのをとろみがつくまで煮詰めていく。最後にコクを出すために溶けるチーズを混ぜ合わせ、塩胡椒で整えたら完成である。
このメニューならば米よりもパンであろう、ということでこんなときのための冷凍リュスティックをオーブンで焼いた。それからサラダパックのためにスタンダードなフレンチドレッシングを作れば、なんだか結構豪華に見える夕飯になった。
身のしまった秋鮭はアロゼしながら焼くことで香ばしくふっくらとして、シンプルなバターソースが美味しい。粒マスタードでピリリと爽やかなマッシュポテトと、たっぷりのディルを一緒に口に含めば、折り重なった芳醇な香りで思わず口元がほころぶ。これでもかとディルを盛るのが良い。クセが少なく森のようなしっとりとした香りが鮭にもポテトにも絶妙に合う。秋らしい美味しさを存分に味わえる一皿である。
シーフードチャウダーは魚介の旨味がたっぷりと溶け、酒のおかげで冷凍っぽさや臭みは全く感じられない。これはワインでなく料理酒・清酒の類の方が良いのだという。ベシャメルソースを作らなくとも良い具合にとろみがつき、牛乳とチーズのおかげでコク深くしっかりとクリーミー。具沢山なので食べ応えも十分である。
これにフランス産の小麦とライ麦の香るもっちりとしたリュスティックがまた美味しい。焼き立てでホカホカのリュスティックは、皮の固さと中のもっちり感がちょうどよく、ポテトを乗せたりシーフードチャウダーに浸しても良い。
なかなか手間はかかったが、相応に美味しかったので満足である。ときどきこういうものも作りたくなってしまうんである。興が乗ってしまったので。
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