10月22日 クロワッサンと、パンオショコラ、味噌鍋

 昨夜からぐっと冷え込み、色々と引っ張り出すことになった。部屋着を長袖の暖かいものにし、裏起毛のスリッパを履き、着る毛布を着込んだ。寝汗をかきがちなので未だ寝具は夏用だったが、流石に耐えられそうにない。秋とはこんなに寒いものだったろうか。


 昨日クレープを買ったパティスリーで、今日食べる為のパンを買っておいた。クロワッサンとパンオショコラである。パンを売っているのは知っていたが販売数は多くないこともあり、食べるのは今回が初めてである。

 コロリと小さめだが高さはしっかりとある。パンオショコラは四角い形が一般的だが、この店はクロワッサンの形のままスティック状のチョコレートを巻いていて、チョコクロワッサンという名の方がしっくりする。トースターでリベイクすれば、バターの香りが溢れてくる。ポロポロと外側が剥がれやすいのは、皮がパリパリな証拠。早速、クロワッサンから齧ってみる。期待通りのバターリッチな味わいが嬉しい。高さがある分、生地の層がしっかりと膨らんでいて、外側はサクサクと香ばしく、内側は乾き過ぎず湿り過ぎず絶妙にふっくらとしている。これはかなり好みのタイプである。

 パンオショコラはその美味しさを超えてきた。チョコレートが美味し過ぎるのだ。何せこの店は美しいボンボンショコラも並ぶパティスリー、考えてみれば当然だった。ほかほかのクロワッサンにとろりと溶けるチョコレート、そのなめらかさと華やかな風味といったら。実に素晴らしいパンオショコラである。

 クロワッサンを上品に食べようなどと、考えてはいけない。美味しいクロワッサンほどパン屑はこぼれるもの。千切ったクロワッサンの内側で皿に落ちた皮を摘む、というような食べ方もあるが、家ではもっと自由で良い。皿の上を掻き集めてぱくりといったって良いのだ。あとは卓上箒で掃いてしまえば済む。

 一人で飲む珈琲は少し寂しいが、美味しい朝食だった。


 外はうっすらと晴れ。

 しかしどうにも気分は下降していた。昨日からあれだけ好きに食べておいて何だが、自分でもよくわからない塞ぎ方をしていた。これも秋のせいなのか。


 我が夫は、無事に隠岐から帰還した。快適な旅とは全くいかなかったようだが、何はともあれ帰ってきた。

 寒いことだしと、今年度初めての鍋をした。市販の鍋つゆを使った味噌鍋である。ニンニクと唐辛子の効いた、なかなかにジャンキーなスープである。パッケージ裏を参考に、キャベツとモヤシ、キノコ類と豚バラ、それに水菜を具材にした。〆にはこってりラーメンを。鍋をつつきながら隠岐の話を聞き、体もしっかりと温まった。


 寝具がモコモコになり快適だが、早くも布団の中から出られなくなりそうである。今からこんなに防寒してしまって、本格的な冬を越えられるだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る