10月15日 りゅうきゅう丼
なんだか駄目駄目な日である。
と思ったら、気圧がぐっと低くなっていたらしい。勘弁してくれ。如何ともしがたいしんどさが、心にも体にもある。
夫は数時間だが休日出勤しに行った。しかし短時間のため無給らしい。悲しい話である。
その間に気を失うように寝てしまったら、なんとも見てはいけない感じの夢を見て、自分で自分がわからなくなるなどした。
やがて帰宅した夫が交代するように寝てしまい、日曜日はぼんやり終わっていく。
夕飯は、りゅうきゅう丼にした。
「りゅうきゅう」とは大分の郷土料理で、簡単に言えば新鮮な魚を刺身にしてタレで漬けた保存食である。その名前の由来は琉球の漁師に教わったからだとか、「利休和え」という胡麻和えから来ただとか、諸説あるがはっきりとしない。
これを知ったのは、数年前のふるさと納税だった。タレの染みた魚がとにかく美味しく、炊きたてのご飯に乗せるだけで良い手軽さもあって、すっかり気に入ってしまった。以来毎年買っていて、先日今年の分が届いたのである。
今日は、鯛とアジの二種を丼にした。身には濃いめの甘辛いタレがしっかりと染み、それでいて新鮮さも失っていない。鯛はふるりと柔らかく、アジはぷりっと歯応えがある。他にも漬け加工品を買ったことはあるが、この「りゅうきゅう」が一番美味しい。旨味たっぷりのタレと加工が良いのだと思う。白米と少量のわさびで食べる一口は、噛み締めるほどにうまい。そうして半分ほど食べたところで、沸かしておいた出汁をそっとかける。出汁茶漬けである。タレがゆっくりと出汁に溶け、魚の身にうっすらと火が通る。これはこれで、あまりにも美味しい。一気に掻き込みたくなるのをどうにか我慢しながら、これでもかと押し寄せる旨味をしっかりと味わう。それでも、食べ始めたらあっという間に平らげてしまうのが、「りゅうきゅう」の恐ろしく、素晴らしいところである。
うーん、そろそろ色々取り掛からなければならないのだが未だ動けない。まずは風呂に入らねば……
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