10月14日 トマトスープパスタに鯖缶

 びっくりするほど何にもする気になれず、本当に何にもしなかった土曜日。


 再開未定の休業中だった近所の美味しいパン屋が再開したと知って、昼前に行ってみたのだがまたしても臨時休業。なんということだ。しかしこちらの店に関しては、悲しみよりも心配が勝る。老夫婦が二人きりでやっているパン屋と思われ、何かあったのではないかと思ってしまう。またこの店のパンが食べたいので、何事もなくまた再開されるよう願う。

 そんなわけで今日は、近所のそれなりに美味しいパン屋の方で買ったパンをブランチにした。ほとんどは普通なのだがときどき当たりのパンがあり、今日はピロシキが美味しかった。ふっくらとしたパンの中に、挽き肉やキノコを炒めたスパイシーな肉餡がつまっている。新宿中村屋のピロシキが好きだったのを思い出した。


 夕飯はまた一人飯で、さして空腹でも無かったので、カップのトマトスープパスタに水気を切った鯖の水煮缶をほぐしながら混ぜ、仕上げにオリーブオイルと黒胡椒を振ったものを食べた。これは確か『sio』の鳥羽シェフ考案のアレンジだったと思う。たんぱく質がしっかり摂れる上、元のトマトスープの酸味が穏やかになり、魚の旨味も加わる。オリーブオイルと黒胡椒の香りが、三分待つだけのカップスープを立派な一品に格上げしてくれる。


 そして今、映画『オテサーネク』を同時視聴で観終わったところである。久しぶりの鑑賞だったが、やはりシュヴァンクマイエルは良い。ここまで食事を不味そうに撮る人もそういない。散りばめられた暗喩も、得意のコラージュも、夫婦の演技も、民話のアレンジの仕方も、大変に好きな作品である。

 これから感想会なので色々と駆け足な日記になってしまったが、何卒ご容赦のほどを。

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