9月6日 びわゼリー

 今日も島根は雨である。

 夫は帰りの電車が運休になり、現地の職員に車で送ってもらったらしい。可哀想に。

 我が家はいたって無事である、念の為。


 昨夜は“推し活”で気分の上がっていた私だが、日付けの代わるくらいから体調は急降下し、今日はずっとぐったりしていた。しかし心の中は推しのおかげで朗らかである。

「美人は三日で飽きる」などと言うのは嘘だと、つくづく思う。それはきっと、美しいものと縁の無かった人間の僻みか、美しいものを解する素養の無い人間の言い訳だろう。美しさは力である。何度見たところで衰えることはなく、むしろ見た者は取り憑かれ、あるいはひれ伏し、尊ぶしかなくなるのだ。推しよ、そなたは美しい。


 とはいえ、体はすっかり駄目なので、昼には「びわゼリー」を食べた。つるりとしたものなら食べられる、という具合。

 手軽に食べられるカップ入りの果物ゼリーは様々作られているが、最も美味しいのは『たらみ』のゼリーだと、個人的に思っている。その中でも「びわゼリー」の美味しさは格別である。

『たらみ』の「PURE」シリーズは、旬摘みの果物がごろごろと入っているのはもちろん、ゼリー部分もしっかり美味しい。ぷるりとした食感とスプーンの入れやすさを両立した絶妙な弾力。ただ甘いだけではない、果物の風味がちゃんと感じられる味わいである。

 びわの香りというのは何故こうも芳しいのか。決して華やかではなく、郷愁を誘うような、しかしみずみずしい香り。それをぎゅっと濃縮するようにシロップ漬けされたびわの実は、噛めばじゅわりと汁が溢れ、ゼリーと共にするりと喉を通っていく。その儚い香りだけを残して。

 やはり、『たらみ』の「びわゼリー」は良い。定期的に食べたくなるものの一つである。


 さて、明日はようやく晴れるらしいのだが、どうなることやら。

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