8月21日 豚肉とレモンのちらしずし

 起きて細々としたことを終えた後に見てみると、参加した自主企画「第六回こむら川小説大賞」の講評および結果が出ていた。

 早い。早過ぎる。金曜の23:59に締め切ってこの早さ、本当に凄い。171作の全てに丁寧に講評をして、大賞の選考をして、この早さ。評議員の皆様には頭が下がる。お疲れ様でしたと、お伝えしたい。

 さて、私が書き下ろした二作は残念ながら受賞はならなかったが、こうして短期間にテーマを設けて書き下ろし、それに対する三人分の講評をいただくというのは本当にありがたい訓練である。


 折角なので本企画には、現代ものとファンタジーものの二作を(書けたら)書いているのだが、今回は現代ものの評判の方が良さそうである。総評を読むに賞レースに絡みかけたようなので、今後とも精進していきたい。

 元は『死別ブロマンス』という別の企画から浮かんだ話なのだが、「そういえば繰り返しみる夢が自分にもあるなぁ」というのがスタートだったりする。作中ほど荒んだ内容にはあまりならないが。

 私の小説の文体には湿度があるとよく言われるのだが、実のところ「じっとり書いてやるぜぇ」と思って書いたことはなく、おそらく私の地の部分が滲んでいるのだと思う。そう、私は感情がじっとりしているタイプの女。それが個性となっているなら嬉しいのだが、この湿度が今回は増しているとかいないとか。おそらくはこの山陰の空気がそうさせたのだ。そういうことにしておく。

 話の流れはそれなりに早く浮かんだものの、それを小説として文章にするまでに随分時間がかかってしまい、とにかく一度作品として終わらせたい、という思いで間の描写はさらっとで済ませてしまったところがある。謎の概念氏に「リライトすれば天下を取れるレベルまで高めることも可能な題材」と言っていただけたので、励みに頑張りたい。

『やどかりの夢』(https://kakuyomu.jp/works/16817330661226803228


 もう一方のファンタジーは、砂漠って逆境度高いよね、というところから“砂人”の設定がもこもこと膨らみ、膨らみ過ぎてもはや上限の一万字には収まらなくなってしまった。ううむ。書きたいことがどんどん増えてしまうのが、ファンタジーの楽しくも苦しいところである。文字数が許せば、ファンタジック飯テロ描写ももっと存分にやりたいところだった。

 調べものもなかなか難儀した。砂漠、結構いろんな種類があるので、植生や民族も様々に違うのである。しかしこういった世界観を読者に体感してもらうのがファンタジーの醍醐味の一つ。お楽しみいただけたなら幸いである。

 ノアンと“砂人”の邂逅シーンは、もうちょっとノアンが頑張る予定だったのだが本当に字数が足りず……中編くらいに書き直したいところ───と言っているものが実はたくさんある。講評でも何度か長編を勧められている。ううむ。

『砂上に紅き陽は昇る』

https://kakuyomu.jp/works/16817330661958909807


 さて、そんな今夜はまた、ミールキットなのだが。

 『賛否両論』笠原シェフ監修の、「豚肉とレモンのちらしずし」である。

 これがまぁまぁ大変だった。工程が多いし、切るものも多い。レモンの絞り器が我が家にはないもので、レモンを手で絞ったらそれだけで汗だくになった。

 しかし手間をかけただけある美味しさがあるのは、流石である。

 レモン汁と醤油、マリネ液を混ぜたもので酢飯の味付けをし、千切りのきゅうり、豚肉、ミニトマト、生姜、大葉、(ネギ、)レモンの皮と乗せる。見た目は華やかで、食べれば爽やか。夏らしい一品である。すし酢ではなく、醤油とレモン汁なのが食べやすく美味しい。このままでも美味しいが、途中でオリーブオイルと胡椒をかければ、一気に洋風の味わいに変わる。これも大変新鮮で、最後まで飽きずに平らげた。

 食材の組み合わせは勿論、面倒なので自分だけではやらないメニューだったが、美味しかった。


 さて、またネコチャンとサイバーパンク世界を旅しなければ。

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