7月6日 クリームティー、豚の生姜焼き

 思い立って、髪を切った。

 もう長さも量も限界だった。しかし天気の悪い日が続くし、決まった美容院があるわけでもなかったので、なかなか踏み切れずにいたのだ。

 今日は貴重な梅雨の晴れ間。

 これを逃すと雨もそうだがどんどん暑くなるばかりである。そんなわけで、某大手サイトをうんうん唸りながら見比べ、昨夜のうちに予約したのだった。


 思ったよりも距離はあったが、雰囲気の良い店で、担当の美容師男性も落ち着いていて仕上がりも上々、相性は悪くないと思う。あとは明日以降、自分の手でもまとまりがよくなっていれば良い。4軒目にしてようやく、こちらでの美容院が決まるかもしれない。───お世話になるとして、あと二三回程度ではあるのだが。


 その美容院からそう遠くないところに素敵なティーサロンがあるので立ち寄って、クリームティーをいただく。

 ロンネフェルトというドイツの紅茶ブランドがある。名のあるホテルなどでも提供されているブランドだが、公式に認定されたティーサロンは国内に数軒しかない。そのうちの一軒が、なんと島根県松江市にあるのだ。またこちらのオーナーはティーマスターゴールドの資格を持ち、その資格が無ければ取り扱えない茶葉もある。なんとも貴重な店なのだ。

 茶葉の秤売りもしているブティックに併設する形のティーサロンは決して広くはないが、高級感のある調度品と丁寧な接客でとても居心地が良い。今日の目当てはクリームティーである。

 この日記にクリームティーが登場するのは三回目である。好きなので仕方がないが、どれも違う店である。島根県に美味しいクリームティーを楽しめる店が複数あって、本当に良かった。

 この店は昨年の春頃に、夫とアフタヌーンティーをするために初めて利用し、そのレベルの高さとお値打ち感にたいそう感動したのだった。紅茶はもちろん、セイボリーもデザートもしっかりと美味しい。中でも気に入ったのが、自家製のスコーンだった。

 外はサクサク、中はふんわりしっとりしたスコーンは、大きく口を開いた家庭的なタイプ。ほかほかに温められると甘い香りが立ち、ミルク感が増す。これが本当に美味しいのだ。今まで食べた中でも三本の指に入るスコーンである。なんでも卵は木次の平飼い地鶏の有精卵を、牛乳は木次のパスチャライズ牛乳を使っているのだという。なるほど、これは島根でなくては作れないスコーンである。

 今日はプレーンとアールグレイのスコーンをいただいた。ジャムはブルーベリーを。クロテッドクリームがたっぷりとあるのも嬉しい。やはり、風味がとても良い。アールグレイはもちろん、ロンネフェルトの茶葉を練り込んである。華やかなベルガモットの香りが鼻を抜けていく。実に素晴らしい。

 紅茶は夏らしい「トロピカルスペシャル」。セイロンティーにパイナップル、薔薇、矢車菊を合わせた、フルーティーで華やかなフレーバーティーである。アイスも美味しい茶葉だろうが、今日はポットでたっぷりといただいた。

 外の暑さを忘れて癒される時間を過ごすことができた。また必ず来ようと思う。


 打って変わって夕飯は、がっつりと生姜焼きにした。菱田屋という東京の定食屋のレシピである。火にかけるのは片面だけで、裏面は蓋をして予熱で蒸し焼きにする。こうすることで豚肉が固くならない。これにすりおろしの生姜とニンニク、醤油、砂糖を合わせたタレを強火で炒め合わせるのだ。色々なレシピを試したが、今のところこれが満足度が高い。

 かなりガツンとくる味で、ごはんもキャベツもよく進む。味変のマヨネーズも美味しい。ときどき無性に食べたくなって作る味である。


 どうも明日はまた雨らしい。大人しく引き篭もっていようと思う。

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