7月4日 牛の赤ワイン煮込みのチーズリゾット
昨夜の眠りも、やけに浅かった。
イマジナリー大阪に行く夢を見たのを覚えている。大阪には行ったことがあるはずなのに、現実の大阪にはあり得ないものばかりが在った。何故かやたら中国に侵食されており、寂れた中華街のような町並みが続いていて、景色はいつもどこか黒ずんでいた。そこを路面電車が無遠慮に貫いていく。トンネルを通るとき、車内が何故かプロジェクションマッピングで埋め尽くされるという、謎の派手さがあった。私は大阪に何を思っているのだろうか。
そんなよくわからない夢を、途切れ途切れに見た。
寝た気のしない朝だったが、二度寝をするほどの眠気は無かった。昨日よりは体調も良い気がする。
だからこの動けない数日に溜まっていた家事を、少しずつ消化することにした。
最近の夜の蒸し暑さは尋常ではない。
なんとか晴れている内にやっておきたかったのは、浴室の掃除である。明日はまた雨だというから、今日やるしかない。
水をはった浴槽に洗剤を溶かし、洗面器やら椅子やらを漬け置きしつつ、カビキラーを吹いたりブラシで擦ったり。古い眼鏡、マスク、肘までのゴム手袋で防護していたが、まぁ汗だくである。ネッククーラーが機能していた時間はほんの僅かで、気休めでしかなかった。鼻と喉が、あの独特の刺激臭にやられる。こまめに掃除していればもっと楽だったのだろうか。暑くなる前にやれば良かったのだろうか。防水のブルートゥースイヤホンでDiggy-MO'を聴きながら、そんな考えを振り払う。今考えたところでどうにもならないのだから。
努力の甲斐あって、浴室は随分と綺麗になった。それを一番に使うのも私だった。シャワーを浴びてようやくすっきりした気分になる。
仕上げに防カビ燻煙剤を焚いて、完了である。やれるだけのことはやった。頑張った。偉いぞ私。
夕飯はまたミールキットである。というか、これがある日でないとなかなか大掛かりな掃除はできない。気力体力が保たないのである。
みじん切りのタマネギとしめじを炒めてから早炊きうるち米を加えてチーズリゾットを作り、調理済みパウチの牛肉煮込みを鍋で煮詰めたのを乗せ、ルッコラと焼いたパプリカを盛る。楽なメニューで助かった。
赤ワインの風味豊かな牛バラ肉はほろほろと柔らかく、コク深いチーズリゾットともとてもよく合う。しめじの旨味が効いている。こういうときにやはり、良い黒胡椒があると華やかな香りで全体がまとまって、美味しい。
いやはや、今日はもうへとへとである。まだ鼻の奥にカビキラーの気配があるような気もする。流石に今夜は、ゆっくり眠りたいものだ。
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