6月14日 ハローのコロッケ、大山みるくプリン
今日は島根に激震が走った。
県内唯一の百貨店『一畑百貨店』が、経営不振により来年一月に閉店することが決まったそうである。これで、全国で百貨店が無いのは山形、徳島に続き三県目となるという。山陰中央新報の一面にも、その記事がでがでかと載った。
オープンは1958年。増床や改装、移転を重ねながらの六十五年余り、地元民には親しまれているのだろうと思う。だが昨年越してきて、この日記でも度々文句を言っていた身としては、さもありなん、とも思ってしまう。
いつ行っても閑古鳥が鳴き、ぐるりとしてみても取り立てて買いたいものは無く、デパ地下にときめきも覚えず、催事のラインナップも微妙で、設備の老朽化が全体に見える。私がこの一年ほどで一畑百貨店を利用したのは、僅か二回である。
報道を見ると、昨年から新たなテナント誘致を働きかけ、来年夏のリニューアルオープンを目指していたらしい。コロナ禍の影響などでそれも頓挫したのは不運だった。だが既に2014年から9期連続赤字だったというし、新テナント誘致は結局、一店も叶わなかったという。
県庁所在地、松江の駅に直結の百貨店でこれである。この街の空気もご想像いただけるのではないだろうか。
とはいえ、現在勤務している人々や取引先への影響は、どうか少なくあってほしい。一畑百貨店は、ホテルや鉄道を経営する一畑グループの一つなので、従業員は他業種への再就職が支援されるらしいが、どうなることやら。
閉店前にもう一度くらい行ってみるかもしれないが、それでもやはり、買うものは無いんだろうなぁという諦めが既にある。先日行ったばかりの、米子の髙島屋もチラつく。こうなるまでにやはり、やれることはあったのではないかと、つい考えてしまうのだった。
そんな島根の行末を暗示するかのような、重苦しい空。頭には鈍痛。
夕飯はさてどうしようかとなったとき、まだ行ったことのないスーパーの存在を思い出した。そしてそこが、手作り惣菜を売りにしていることも。
山のほど近く、ため池沿いにあるスーパー『ハロー』。着いてみると思ったよりもだいぶ小さく、個人商店のような店構えである。その広くないフロアの半分を惣菜に割いており、気合の入れようがわかる。本日水曜日は「コロッケの日」だそうで、様々な種類のコロッケが並ぶ。他にも、トンカツや唐揚げ、ポテトサラダなどもあった。
残念ながら最もスタンダードなコロッケは売り切れだったのだが、目についた惣菜を色々と買ってみた。我が家のオーブンレンジ『ビストロ』の、「フライあたため」機能が大活躍である。
まず中華春巻。味は好きだが作ろうと思うとすこぶる面倒なやつ。パンチは無いが非常に家庭的な味わいで、悪くない。醤油を多めにつけるくらいが良い。
コロッケは三種。明太マヨコロッケは間違いのない組み合わせで、見た目通りに美味しい。チーズコロッケはたっぷりのチーズが芋にとろりと絡む。変わり種はチーズハットグ風コロッケとやらで、コロッケの中にチーズとウインナーが入っており、ケチャップがかかっている。それ以上でもそれ以下でもない味だった。
イカメンチもかったのだが、タマネギの主張が強かったので私からはノーコメントとさせていただく。
最も出来が良いと思ったのは、ササミカツ。さっくりと揚がった衣の中のササミはジューシーで、さっぱりとした中にちゃんと旨味を感じる。
が、総じてやはり、『きたがき』には敵わない。この辺りのチェーンのスーパーの惣菜よりは安くて美味しいのだが、もう一度買うかというと微妙なところである。
ハローでは惣菜の他に、デザートも買ってみた。チーズケーキと、大山みるくプリンである。
チーズケーキは極めてしっとりとしたベイクドタイプ。表面はこんがりと狐色、中はチーズと卵の混ざったクリームイエロー。食べてみるとこれが、非常に懐かしい美味しさ。家で作ったチーズケーキが、こんな味だったと思う。間違いなく手作りだという確信が持てる味だった。
今日のMVPは、大山みるくプリンである。真っ白でプルプルとしたプリンに、生クリームが少し絞ってある、大変シンプルなもの。それ故に、素材の味、つまりは牛乳の味が濃い。白バラ牛乳を使っているというのだが、あの牛乳そのものよりも濃厚なミルク感である。ほんのりとした甘さがそれを強調しているのかもしれない。いっそ生クリームは無くて良いくらいである。牛乳好きとしては、とても美味しかった。
ここに住んでいる間に一畑百貨店がどうなるのか、今後とも見守っていこうと思う。
『ハロー』は再訪するかどうか、正直微妙なところである。
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