6月6日 あじ竜田の蒲焼き丼

「6月6日に雨がざあざあ降ってきて……」というのは、かわいいコックさんの絵描き歌だったか。あのコックさんもなかなかよくわからない存在である。格好は確かにコックらしいのだが、口はやはりクチバシにしか見えない。「アヒルだよ」と言ってしまっているし。


 今日の山陰は、雨こそ降らないもののどんよりとした曇り。いつも通りではある。白く濁った空の下に押し込められている。そういえば今日は、鳥の声も聞こえない。

 私の虚弱な三半規管は悲鳴をあげ、一日中頭痛に苛まれていた。そしてどうやら、我が夫もとうとう気圧痛の仲間入りを果たしてしまったらしい。可哀想に。山陰の気候にやられたのだろう。


 そんなわけで、今日こそはと思っていた買い物には出られなかった。ミールキットが残っていて助かった。

 今日は「あじ竜田の蒲焼き丼」である。

 一口大のあじ竜田を揚げ焼きでカリッと仕上げ、蒲焼きのタレと絡めてごはんの上へ。副菜には海藻の和え物。楽なメニューで助かった。

 結局、蒲焼きのタレがうまいのだと、これを食べると思う。あじ竜田にはしっかりとタレが絡み、山椒もかけてぴりりと。大葉と食べればよりさっぱりとするし、少しわさびを乗せても美味しい。キットではこれに、山形の「だし」もついていた。

 山形の「だし」とは郷土料理の一つで、キュウリなどの夏野菜とミョウガなどの香味野菜を細かくきざみ、醤油を中心とした調味料で和えたものである。白米にかけてさらさらと食べるのが一般的だと思うが、蒲焼きのタレにも意外に合った。何より、最後に出汁茶漬けにするのにとてもちょうど良い。旨味たっぷりの出汁にタレが溶け合いまったりとした味になるのを、山形の「だし」が爽やかな後味にしてくれる。これにわさびを少量足せば、完璧な〆である。


 先ほどは夫の手で、頭の鉢を強めに揉んでもらった。少し楽になる気がする。

 いつも以上に内容の薄い日記になってしまったが、何もできない日だったのでお許しいただきたい。

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